入社して数年、
任される仕事も増え、評価される場面も増えてきた。

でも…

入社5年目

なぜか自分に自信が持てない

  • 成果は出ているのに、私はまだまだ…
  • まぐれでうまくいっただけかも…

そんな「根拠のない不安」が、あなたの中にありませんか?

こうした状態を心理学では…
「インポスター症候群」と呼んでいます。

真面目な若手ほど陥りやすく…
褒められても自分を認められず、仕事が怖くなることもあります。

「症候群」とまではないけど…

入社3年目

何かと、勇気が出なくて
足踏みしてしまう

そんな方に向けて…
インポスター症候群の正体と、今日からできる克服方法を解説。

現状を打破するきっかけが、きっと見つかります。

プロフィールシート

評価されているのに「自信がない」…そのモヤモヤの正体は?

アイキャッチ画像:評価されているのに自信が持てず不安そうな表情の若い女性ビジネスパーソンと、「評価されているのに自信がない…そのモヤモヤの正体は?」という問いかけのキャッチコピー。

インポスター症候群とは、1978年、心理学者 Clance & Imes が初めて報告した概念。

成果を出しているのに…

アドバイザー

自分の能力を
信じられない状態を指します

あなたに、次のような感覚はありませんか?

  • 成功を「まぐれ」と思ってしまう
  • 失敗したら「本当の自分がバレる」と焦る
  • 周囲の期待に応えなきゃ、と常に緊張している
  • 成果より「できていない部分」に目が行きやすい

これらは、インポスター症候群の人が抱きやすい感覚(Clance, 1985)です。

とくに日本は、
「謙虚さ」が美徳とされ…

入社4年目

自分なんて、まだまだですよ

そう振る舞うことが「よし」とされるため、
自分がインポスター症候群だと気づきにくい。

しかし…
「謙虚さ」が行き過ぎて、「自己卑下」になっていないでしょうか?

両者の違いは以下のとおり。

  • 謙虚:実力を認識した上で、控えめな姿勢
  • 自己卑下:実力があるのに「能力がない」と思い込む

後者が、インポスター症候群。

キャリア初期の20代〜30代にとくに多いことも研究でわかっています(Sakulku & Alexander, 2011)。

周りは評価してくれるけど…

入社5年目

どうしても信じられない

なぜ、これほどまでに「周囲の評価」と「自分の自信」がズレてしまうのか?

その原因は、あなたの性格ではなく「脳のクセ」にあります。

次から、あなたを不安にさせる「思考の正体」をチェックしていきましょう。

「自信がない」は脳の錯覚? 不安をつくる「自動思考」の仕組み

アイキャッチ画像:自信がなく落ち込んだ表情の若い女性ビジネスパーソンと、「自信がない…は脳の錯覚?不安をつくる自動思考の仕組み」という問いかけのキャッチコピー。

インポスター症候群の背景には、心理学でいう

  • 認知のゆがみ(Cognitive Distortions) 
  • 自動思考(Automatic Thoughts)

この2つがあります。

端的に言うと…

アドバイザー

脳が瞬間的に
ネガティブ側に解釈してしまうクセ

代表的な「クセ」を3点、ご紹介します。

① 成功の要因を「自分の外」に求める

  • 運が良かっただけ
  • 相手が優しかっただけ
  • 周りが助けてくれただけ

② 失敗のみ「自分の実力」として扱う

  • やっぱり自分はダメだ
  • 次もミスするかもしれない

③ 周囲と比較しては、落ち込む

  • あの人はあんなに活躍しているのに…
  • 同期は管理職。それに比べて自分は…
  • みんな楽々と完璧にこなしている…

これらは…

アドバイザー

事実を誤って評価している状態

 「事実」と「解釈」の間にズレが生じているのです。

だから…
気づいて修正すれば改善できます。

自分には…

入社3年目

インポスター症候群の傾向があるかも

そう気づけたなら、半分は解決したようなもの。

次から、その思考のクセを「正しい自己評価」に書き換える3つの習慣を紹介します。

どれか一つ試すだけで…
自信が育ち始めます。

インポスター症候群を抜け出し、自己肯定感を育てる3つの習慣

アイキャッチ画像:自信に満ちた笑顔の若い女性ビジネスパーソンと、「インポスター症候群を抜け出し自己肯定感を育てる3つの習慣」というキャッチコピー。

ここからは、心理学的エビデンスを元に、脳の「自動思考」を正し、

アドバイザー

自信を回復する
3つの習慣 をご紹介します

どれも今日からできるシンプルな方法です。

習慣1:成果を「事実ベース」で書き出す

アイキャッチ画像:にこやかに笑う若い女性ビジネスパーソンと、「1日5分 事実メモ 事実と感情の仕分け」というキャッチコピー、および「今日やったこと(事実)」「どんな行動をしたか(事実)」「どう解釈したか(感情)」の項目と例が示されている画像。

インポスター症候群の克服で…
とくに有効なのが、メタ認知(自分を客観視する力)を高めること

認知行動療法でも最も効果がある方法とされています。

簡単にできる方法は…

アドバイザー

1日5分の「事実メモ」

頭の中だけで考えると、どうしても「感情」が混ざってしまうもの。

だからこそ、書き出して「視覚化」します。

具体的には…

  1. 今日やったこと(事実)
  2. どんな行動をしたか(事実)
  3. どう解釈したか(感情)

たとえば…

  • 事実:顧客向け資料を12ページ作成
  • 行動:課題を整理し、構成案を調整
  • 感情:こんなの、誰でもできる

こうして並べてみると…
事実(成果)を、感情(不安)が勝手に塗りつぶしていたことに気づくはず。

自動思考による「誤解」を見抜く第一歩は…
この「事実」と「感情」の仕分け です。

事実だけを眺めたとき、自然とこう思えるようになります。

入社3年目

あれ、自分
ちゃんと動いてるじゃん…

この「気づき」が、自己肯定感の土台になります。

習慣2:比較する相手を「過去の自分」に変える

アイキャッチ画像:「他人比較」から「自分比較」へ比較対象を変えることを示す矢印と、比較で落ち込む女性(みんな涼しい顔で完璧にこなしている…)と自分比較で笑顔になる女性(今はもう、無意識レベルでできてる)の対比が描かれている画像。

比較そのものをなくすのは、現実的には難しい。

そんなあなたに試してほしいのが…

アドバイザー

他人 → 過去の自分 へのシフト

具体的なアクションとしては…
成長ジャーナル(記録)が効果的です

  • 半年前に比べてできるようになったこと
  • 初めての仕事よりスムーズにできること
  • ミスしても立て直せるようになった部分

研究でも、
「過去の自分との比較」は自己効力感(Self-efficacy)を高める ことが確認されています(Bandura, 1997)。

もし思い浮かばない時は…
1年前の手帳や、過去の送信メールを見返してみてください。

入社6年目

あ、この時は
初歩的なことで悩んでたんだ

入社7年目

今はもう
無意識でできてる

そんな「かつての悩み」が「今の実力」に変わっていることに気づくはずです。

他者基準から、自分基準へ
これだけで心はずっと軽くなります。

習慣3:自分の強みを言語化する

アイキャッチ画像:にこやかに上を見上げる女性ビジネスパーソンと、「『私』をブランディング 自分の強みを言語化する」というタイトル、そして「自分自身に、問いかけてみましょう」として「Q 人から『助かったよ』と感謝された場面は?」「Q 自分は『苦』ではないのに、周りから驚かれたことは?」「Q 困った時に、無意識でとる行動パターンは?」という質問例が書かれた画像。

インポスター症候群の特徴としてよく言われるのが…

アドバイザー

強みを
「当たり前」と思ってしまう問題

「こんなの誰でもできる」とスルーしてしまう傾向です。

だからこそ…
あえて言葉にして再確認(言語化)する必要があります。

具体的には…
自分自身に、次の3つを問いかけてみてください。

埋もれていた「強み」が見えてきます。

  • 人から「助かったよ」と感謝された場面は?
  • 自分は「苦」ではないのに、周りから驚かれたことは?
  • 困った時に、無意識でとる行動パターンは?

強みとは、「目立つ実績」や「特別な才能」だけではありません。

  • 丁寧さ
  • 誠実さ
  • 相手の話を聞く姿勢
  • 期限を守る責任感

こうした「静かな強み」こそが、組織で最も信頼されるスキルです。

静かな強みは…
必ず長期的な成果や評価へとつながります。


もしあなたが、控えめな性格で「自己アピールが苦手」だと感じているなら、その個性こそが武器になるかもしれません。

内向型の強みを活かして働くための戦略は、以下の記事でも詳しく解説しています。

「仕事が怖い」が「挑戦したい」に変わるとき

アイキャッチ画像:にこやかに上を見上げる女性ビジネスパーソンと、「インポスター症候群は思考のクセから生まれるもの ちゃんとできていた自分に気づくことが、あなたを変えていきます」というキャッチコピー。

インポスター症候群は、
能力不足ではなく 思考のクセ から生まれるもの。

  • 成果を「事実」で捉える
  • 過去の自分と比較する
  • 強みを言語化する

この3つの習慣で、
脳の「ネガティブ自動思考」が少しずつ書き換わっていきます。

入社7年目

ちゃんとできてる自分がいた

そんな「気づき」が、あなたを変えていきます。

重たい「謙虚さ」は今年に置いて…

アドバイザー

来年は
心軽やかに歩んでいきましょう

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