
ビジネスでもプライベートでも、お会いする方には好印象を残したい…
すぐできることは、人を不快にさせる口癖をやめることです。
一定のスキルが求められるコミュ力を伸ばすより、てっとり早い。
そこで本記事では、
聞き手に不快感を与えてしまう…
口癖とその克服法を整理しました。
「この口癖、思い当たる」という内容をひろって修正し、好感度アップにつなげてください。
具体的には内容を次の3つに整理して解説…

- 見下す印象を与える口癖を修正する
- 不信感を与える口癖を修正する
- モヤモヤ感を与える口癖を修正する
アンソニーロビンズは次のように聴衆に語りました。
あなたの使う言葉があなたの人生を操っている…
アンソニー(トニー)・ロビンス:アメリカの自己啓発書作家、講演家。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%BA
つまり、人生を操る言葉を改善すれば、あなたの人生は好転し始める。
見下す印象を与える口癖

「上から目線だ!」という印象を与えるのは…
- いやいや…
- はっきり言って…
- 私に言わせれば…
- で?…
- 要するに…
などを先頭につけて話す人です。
「いやいや」などの否定語使用のデメリットは、記事「誰もが陥るコミュニケーションの3つの悪習」のなかで解説しました。
上から目線という印象のほかにも…
- 自己主張や言い訳が先立つ。
- 聞く耳をもたない。
- 相手の立場を尊重しない。
という心証をもたれます。
「はっきり言って…」「私に言わせれば…」「で?…」「要するに…」という言葉は、
「私がこの場を裁いています」というメッセージになって相手に伝わります。
聞く人に「上から…」という印象をもたれる。
これらは、部下に不人気な上司にありがちな言い回しです。改善の方法は次の2点…
- 別の表現に切り替え
- クッション言葉を用いる
次の項から、この2点を解説します。
別の表現に切り替え
「はっきり言って…」「私に言わせれば…」は、
「私の意見(考え)としては…」に替える。
最後に「どうだろう?」を付けて、さらに「あなたの意見(考え)を受け入れる用意がある」というメッセージを送ります。
「で?…」は、
- そういうことだったんですね。その後どうなったのですか?
- なるほど、このことについてあなたはどうお考えですか?
…と丁寧な応答に切り替えます。
「要するに…」は、自身の発言内容を指して使うぶんは問題ありません。
しかし、相手の意図を自分なりに要約して断言した場合、解釈のズレがわだかまりとなって残ります。
「要するに…ということですか?」と
相手の意図を確かめる際に使います。
クッション言葉を使う
クッション言葉とは、やさしく伝えたいときに使う枕詞(前置きになる言葉)のこと。
具体的には、以下のような言葉です。
上司や顧客、取引相手に使うクッション言葉…
- お手数をおかけしますが…
- もし可能であれば…
- お忙しいところ恐縮ですが…
- 差し支えなければ…
- たいへん失礼ですが…
- 申し上げにくいのですが…
- あいにくですが…
- ご期待に添えず申し訳ありませんが…
- ご足労をおかけいたしますが…
これらの言葉を前に置き、依頼・断り・申し出・反論など、場面によって使い分けていきます。
部下や年下に対しても…
- 苦労をかけるが…
- 時間をとらせるが…
- もしよければ…
- 申し訳ないが…
- 残念だが…
- 言いにくいことだが…
- 期待に応えられなくて申し訳ないが…
などの言葉は「やわらげ効果」を発揮します。
会話の応答で「そうなんですね」「そういう見方(考え方)もありますね」などを枕詞のように用いることも効果的。これらは…
自分を受け入れてくれるというメッセージになり、風通しのよい関係を築けます。
同様に「そうですね」がよく使われますが、注意が必要です。
「そうですね」は、同意・賛成・共感をあらわします。
よく「そうですね。でも…」と使いがちですが、これは違和感をもたれる表現です。
「賛同したと思ったら、すぐ否定?」という伝わり方をするからです。
賛成とも反対とも判断がつきかねるときは…
ひとまず「そうなんですね」と返すのが適切
また、「そうですね」を口癖のように使う人は、「すでに知ってます」「承認します」というというニュアンスで伝わり、「上から…」という印象をもたれる恐れがあります。
不信感を与える口癖

「この人、信用できるの?」という印象を与えるのは…のばし表現の多用です。
具体的には…
えーっと、は~、あ~、まぁー、などを先頭につける癖。
「えーっと」「は~」「あ~」「まぁー」という伸ばし表現は使わないことをおススメします。
多用すると、「はっきりしてほしい」という、聞く側の不満を高めるからです。
印象としては自信のなさが残り、致命的な短所になります。
とくに多いのが、考える間をとるために「えーっと」を先頭につける癖。
しかし、「えーっと」のあとに整理された内容が続くことは、教養人以外ほぼありません。
「えーっと」と考えているようで、思考停止に陥っていることが多い。
それならば、早々にあきらめをつけて…
- この件は検討させてください。
○○までに… - 詳細を調べてまいりますので、後日…
- 勉強不足でした。再度…
と返したほうが、信頼を損ねません。
会話を続けることによって、アイデアや解決策が出そうな場合は、ひとまず「教えてください」に切り替えます。
「えーっと」と、相手を待たせて答えを探すより建設的。
たとえば、取引先との会話において…
差し支えなければ、
過去、同様のケースでは、どのような対応をされたか教えてください。
と話を運びます。
先方がアイデアを付けて返答するケースも多々あり、対応のヒントを得られます。
モヤモヤ感を与えてしまう口癖

聞き手に戸惑いを与えたり、気持ちが正確に伝わらなかったりする表現は、次の3点…
- 大丈夫です
- すみません
- してもらっていいですか
これらの表現は、聞き手にモヤモヤ感を与えてしまいます。
どう受けとってよいかわからない「大丈夫です」は要注意!
「大丈夫です」という返答は「肯定、否定、どっちなの?」と、相手を戸惑わせます。
簡単な例でいえば…
「お茶でもいかがですか」という勧誘・提案に対する「大丈夫です」の返答は、OKを意味するのか、断る意味なのか不明です。
「いただきます」または「結構です」を使うほうが、確実に伝わります。
仕事の進捗状況について尋ねられた際の返答「大丈夫です」は、確かさが曖昧で、相手に不安感を残します。
「現在のところ、問題ありません。計画通りに進み順調です」
という返答であれば相手は安心を覚える。
「すみません」を多用すると、気持ちが伝わらないことも…
「すみません」はたいへん便利な言葉です。
謝罪・依頼・感謝・呼びかけなど、さまざまなシーンで使える。
しかし、便利なだけに、とにかく「すみません」で済ます癖には要注意です。
たとえば、深刻な事態を招いた場合は…
「誠に申し訳ありません」のほうが
反省の意をあらわすのにふさわしい。
感謝を伝える際は…
「ありがとうございます。おかげさまで…」または「感謝いたします」のほうが
相手にとっても気持ちがよい。
丁寧なようで乱暴な印象を残す「してもらっていいですか」
相手に何かをしてもらうことの許可を求めるとき、最近は「○○してもらっていいですか」と尋ねられます。
親しい関係に使うぶんは問題ありません。
しかし、これを初見の人に使うのは要注意です。
相手によっては、次のような印象をもたれます。
- 押しつけがましい
- 自分の都合を優先している
- あなたとは頼む・頼まれるの関係にない
結果、相手に不快感や反感をもたれる可能性があります。
このような危険をおかすよりも、状況に応じて次のように表現したほうが無難です。
ありがたさを出す…
していただけるとありがたいです
してくださると幸いです
提案型に変える…
してみてはいかがですか
率直にお願いする…
してもらえませんか
していただけませんか
どう伝わるかを意識すれば好感度はアップする

「伝える」ことに注意を向けるのではなく、
「どの言葉をどのように使うとどう伝わるか」を意識すれば、好感度は上がります。
林修氏いわく…
言って欲しい言葉を 言って欲しい表現で言ってくれる人を、人は好きになる
好感度の核心をついた名言です。
ベースになるのは語彙力、そして、さまざまなシーンで言葉を使い分けて伝える場数です。
言葉の修行は生涯つづく…
ともに励みましょう。
リーダーとして好感度を上げたい、という方は「共感型リーダー」を目指すことをおススメします。関連記事はこちら…
好感度アップに役立つのが「雑談力」
好感度の高い人 = 雑談したい人です。
本サイトに記事がありますので、紹介します…
本記事の関連書籍を紹介しておきます…
話し方のプロである五百田達成氏の著書。
好感度アップに役立つ一冊です。
本記事で紹介したアンソニー・ロビンズ氏の著書
世界で最も影響力のある“カリスマ・コーチ”の不朽の代表作。
雑談を極めたい方におススメの書籍は…
1000人を超えるビジネスパーソンのコーチ:岡本純子さん著作