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パーパス経営&パーパスマネジメントとは? → それで、マネジャーは何をすればいいの?

パーパス経営・パーパスマネジメントとは
パーパスマネジメントについて苦悩するマネジャー

近年のパーパス経営導入の背景の一つに、若者の生き方や働き方に対する変化があります。例えば、会社の目的と自身のキャリアとのつながりを感じられない、という理由で若手が簡単に転職の道を選択するケースの増加…

そこで今注目されているのは、人生の価値観と企業のパーパスを重ねる、というパーパス・マネジメントです。

今回はパーパス経営&マネジメントの概略及びマネジャーの役割について解説。

パーパスの理解

パーパス(Purpose)とは会社の社会的存在意義という意味です。

具体的には…

「どのような価値を社会に提供しているのか」ということ

このパーパスを軸にして企業活動を行い、社会に対して貢献していくことを「パーパス経営」と言います。

パーパスの理解を深めるために、パーパス開発のイメージをお示しします…

パーパスの開発:イメージ図

具体として、各企業のパーパスを紹介すると…

有名企業が示すパーパス

さらに、詳細を一つ紹介します…
SOMPOホールディングス:「『パーパス』を戦略の根幹に」
https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/atcl/column/00005/070200096/

パーパスを掲げて経営を進める企業のメリットとしては…

パーパス・ドリブン (パーパスに基づいた方針や戦略の実践)
→ 従業員が同じ目線で仕事の意義を共有でき、生産性が向上する

パーパス・ブランディング(パーパスによる社会的共感の獲得)
→ 自社の存在意義を社会に認知させることで、企業価値が高まる

大きくは、企業の長期的・持続的な成長を視野に入れた経営手法と言えます。

経営上、必要な取り組みは…

社内への浸透
  • 自社のパーパスと個人のパーパスをつなぎ、働きがいを創造すること
  • パーパスに沿って社員に成長機会を提供(特にリスキング支援)すること

リスキングについて詳しい内容を知りたい方は、以下の記事へどうぞ …

パーパス・ブランディング
  • 社外に発信し、ステークホルダーからの支持を集めること
  • パーパスと自社の強みをつなぐ商品・サービスを開発・提供し、そのメッセージを発信すること
社会貢献活動・シンボルプロジェクトの開発
  • パーパス起点の社会貢献活動の創造と実施
  • シンボルプロジェクトの広報活動

以上が、パーパス及びパーパス経営の概要になります。
各部署のマネジャーの、共通の役割は「社内への浸透」です。

パーパス・マネジメント:マネジャーの役割とは

「パーパス・マネジメント」は、個人と組織それぞれのパーパスを適切に導いていくことで、仕事における幸せを最大限に高め、組織の生産性を向上させる方法、と言われています。

マネジャーに求められることは…

パーパスの形骸化を防ぎ、具現化して会社の“強さ”につなげること

具体的には、パーパスを機能させて…

社員の働きがいの創造&リテンション(人材維持・確保)

という役割を担います。

特に若手人材の自主退職を防ぐ処方箋という認識も必要

個人のパーパスと組織のパーパスが重なり合っていて、それが大きければ大きいほど個人は幸せを感じ、組織の生産性は上がる、というとらえ方でマネジメントします。

行動レベルとしては「社内への浸透」が仕事。
具体的にはワークショップの設計・実施が有効です。例示すると…

パーパースの社内への浸透を目的としたワークショップ例

まず個人レベルでパーパスを考えると、3つの要素が含まれていることが重要です。

  1. 自分の人生の目的になりうること、その仕事を行うことで社会に対して何らかのインパクトを与えられること(MUST)
  2. 仕事におけるやりがい情熱をかたむけて取り組みたいこと(WANT)
  3. 自分が大切にしている価値観獲得したい能力(CAN)

例えば、「今期の売上目標○○〇万円を達成すること」というのは、自分の価値観との関係が薄い定量的な目標ですし、社会的意義も含まれていません。

Myパーパスとは、自分らしさや志、コア・バリュー(中核となる価値観)であり、ミッションの短期目標(数値目標)とは異なります。

パーパスが社会的視点を含んでいるのは、組織と個人、それぞれの「社会のためにこうしたい」という思いが重なると、一人ひとりが心から「この仕事をやりたい」と本気で思えてくる、という理由からです。

自分の目の前にある仕事が、自分のパーパスにつながるものであればあるほど、モチベーションや働きがいを感じられるようになり、結果的に成果もあげられるようになります

そこで、以下のような組織のパーパスを自分ごと化するプロセス」の創出が、マネジャーに必要になります。

社員自身に自分のパーパスを知ってもらう

社内でワークショップを開いて、自分がどんなときに一番ワクワクするのか、時間を忘れてやってしまうことは何かを考えたり、チームで話しあったりします。

Myパーパスと自社のパーパスの重なりについて考え、シェアする

社員一人ひとりがMyパーパスと自社のパーパスの重なりについて考えます。また、忖度なく本音で語り合える場を提供し、その中で考えをシェアできるようにします。

このようなワークショップによって、組織のパーパスの「自分ごと化」を図っていきます。

ワークショップ後に1on1ミーティングを導入する場合もありますが、実施する際はマネジャーからまずMyパーパスを開示するとよいでしょう。
まずは、マネジャーの自己開示
そうすると社員も安心でき、本音でMyパーパスを語ってくれます。

社員の「マイ・パーパス」と自社のパーパスをつなぐ

パーパスと若者の生き方や働き方に対する価値観の変化(YOLOの価値観:You Only Live Once=人生一度きり)

米国の大量自主退職の要因である、若者の生き方や働き方に対する価値観の変化YOLOの価値観:You Only Live Once=人生一度きり職場へのエンゲージメントの低下は日本にも共通の現象。

独立・起業を含め、自分の人生を自分でコントロールする生き方を選ぶ動きもすでに広がっています。

これらはメンバーシップ型雇用に対する問題提起と言えます。
組織と個人の関係が対等になる傾向の中で…

自社のパーパスに賛同できない人を排除するのではなく、組織のパーパスを社員一人ひとりがその価値を吟味し、Myパーパスとの接点を見出し、すり合わせを行うことで、個人としては自身のライフミッションを、会社としては生産性の向上を実現させていくことが重要

そのプロセスをよりよく創出して自社の“強さ”につなげること、これがマネジャーの役割です。

まず、マネジャー自身が、「自分の存在意義は?」という問いから、Myパーパスを明らかにすることから始めてはいかがでしょうか?

おすすめの関連書籍を紹介しておきます…

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