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パワハラ防止対策!~ できる上司が知っている〔対立を生まない人間関係のスキル〕~

アイキャッチ画像:対立を生まない人間関係のスキル
パワハラになる心配

このように、現場では「今、指導すべき時だが、最初の一歩踏み出せない」という状況があります。

当然パワハラ上司のレッテルを貼られたくない

2020年、企業にパワハラ防止を義務付ける「改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)」が施行されました。
どのような言動がハラスメントにあたるのか、という知識の獲得も必要ですが、マネジャーにとって大切なことはパワハラを起こすリスクを減らす、ということです

そこで効果を発揮するのがスタンフォード式の〔 対立を生まない人間関係のスキル です。

本記事によって、みな様の日々の心の消耗が軽減できれば幸いでございます。

こんな場面で使えます。

  • 問題解決の場面
  • 人材育成
  • 家族内のトラブル防止
  • 老害化の防止
職場がストレスの発生源になりやすい背景

マネジャーは外向きにつくった顔と、本来の姿の間にギャップを感じながら生活しています。

出社前に、マネジャーとしての「顔」へと加工・編集している毎日だと拝察します。
偽りのイメージを日々保ち続けるのは疲れるものです。

一方で、メリットもあるから続けています。「立場がものをいう」とあるように、注意・指導・監督など、管理上その立場にあるからこそできる、というメリットです。

役職が同じならば対立が生まれるが、上下の立場であれば、指導するものされるものという関係が成立し、対立を避けることができるからです。

しかし…

自分のイメージを加工し続けていると、周囲の人も加工した姿を自分に対して見せるようになります。

率直さが失われるため職場はストレス発生の中心地となり、ついには新採の大量退職などの問題へと発展しかねません。


また、過度な成果主義の職場風土が、上司と部下の「仮面の関係」に拍車をかけ、ストレスの震源地となっているケースも多く見受けられます。

上司も部下も組織上の人間関係の中でストレスに苦しむ状況を改善するためには、「問題について率直に伝えあうが、対立に発展しない」という関係性をつくることが重要です。

対立を生まない人間関係づくり ~ スタンフォード式が使える ~

パワハラに発展しないフィードバック

対立の要因は想像力

対立へと発展してしまう要因は、多くは想像力の働きにあります。

私たちは、「相手の立場になって考えなさい」と言われて育ちました。今でも職場で部下に「顧客の立場になって応対しなさい」など指導しています。想像力を部下に求めることについては問題ありません。


しかし、この想像力を指導場面で働かせると

怒る上司

君にトラブルが多いのは、お客さんの気持ちを考えて応対していないことが原因だ。

批判になってしまいます。その結果、後味の悪い指導になります。

そこで、解説するのは…

■ スタンフォード大学の「インターパーソナル・ダイナミックス(人間関係の力学)」のコースで行われている授業内容です。

「タッチー・フリー(感情丸出し)」の愛称で呼ばれることもあります。書籍も出ていますので、最後にリンクを貼っておきます。

インターパーソナル・ダイナミックスは、50年以上の伝統をもつ講義であり、「スタンフォードのビジネススクール随一の知名度と人気を誇る講義」ということで、学生の9割近くが受講しています。

ビジネスシーンに転用できるのは…

行動に特化したフィードバック

対人関係の問題解決の場面で使えます。
具体的には「言いにくい内容だが、伝えるべき内容があるとき」のコツです。

ビジネスパーソンが置かれている状況やそのニーズに合うとともに、引退生活でも使えるスキルです。

夫婦関係の再構築や自分の老害化行動抑止にも使えます。さらに、ちょっとしたコツのようなものなので、

日常の練習をとおして身につきやすく無理がないという点にメリットがあります。

「無理がない」というのは、うまくいかなくても対立が深まる恐れがない、ということです。

 具体的な方法を次に解説します。

人間関係はテニスコート

スタンフォード大学では、以下の図のとおり、2つの領域(❷「双方から見える領域」と❸「部下しか見えない領域」)の境について、学生にテニスのネットがある光景をイメージさせて指導しています。図以下に解説をまとめています…

対立を生まない人間関係のスキル:行動に特化したフィードバック
  1. 自分が熟知している領域 
  2. 自分からも部下からも見える領域 
  3. 部下しか見えない領域

フィードバックで大切なのは、

■ 自分から見える領域(現実)からはみ出さないことです。

そうすれば、対立を引き起こさず、率直に意見を述べることができます。

言及できること
  • 部下の具体的な言動
  • 部下からの影響
言及できないこと
  • 部下の行動理由や見通し
  • 部下のもつイメージ

「自分」の領域にとどまらず、部下の言動の理由やイメージまで踏み込んで意見すると、その指摘は非難めいて伝わります

例えば以下のような感じです。

対立を起こす

× 君はチームで仕事していることを忘れて、自分の意見をとおすことしか考えていない。

対立を起こさない

チームに一言も言わずに決済前の計画を取引先で紹介したことを、残念に思う。

「×」のような言葉をぶつけられたら、相手は誤解されたと感じ、ひどい場合には攻撃されたと感じるので、部下を傷つけ身構えさせます。

※ 奥方から「あなたは自分のことしか考えていないのね」と言われたときに傷つくのと同じです。

マネジャーは、「部下の動機や意向を理解していると思いがち」ですが、部下が明確に言葉で表さない限り、憶測にすぎないということです。

具体的な言動のみ取り上げることによって、率直に改善を求めることができます。

もう一つフィードバックできる内容は…

部下の言動から受けた自分への影響

ですから、自分が部下から受けた影響は、率直に伝えることができます。

反論の余地はありません。部下も同じようにこちらの領域に入ることができないからです。

そこで…

■ 部下の言動から受けた自分への影響に意識を向けることを忘れないようにしましょう。想像力ではなく、知覚力を働かせることがポイント…

さらに、研鑽を深めたい方に関連書籍を紹介します…

Q&A 研修現場の声

※右端の「v」をクリックしてください…

対立を回避するだけでは部下は育ちません。また同じようなミスをくり返さないように指導するためには、どんな工夫が考えられますか?

自分が受けた影響を率直に伝えることから始めましょう。

行動に特化したフィードバックモデルには、部下自らが自分の「意向」を打ち明ける可能性が高まるというメリットがあります。先ほどの例で説明すると、

自分の領域で話す

チームに一言も言わずに決済前の計画を取引先に紹介したことを、とても残念に思う。

と言われた部下は、上司を残念な思いにさせたことには理由があることを打ち明けたくなります。ですから、部下の反応を待てばよいわけです。
もし、黙り込んでしまう場合には…

指導できる上司

何か意図や見通しがあったのだろう。それを聞かせてくれないか?

その返答に対して、その状況に応じた適切な行動のし方を指導すれば人材育成につながります。また、このプロセスを通じて未来志向の関係を築くことも可能

「行動に特化したフィードバック」で未来志向の関係をつくる

ストレス発生を防ぐ対話のポイント

今回は「気を遣うのはうんざりだが、率直に話すと対立関係になる危険性」を回避する方法を提案しました。

私たちは外向きにつくった顔と、本来の姿の間にギャップを感じながら生活しています。

そのため率直さが喪失し、職場はストレス発生の中心地となります。

上司も部下も組織上の人間関係の中でストレスに苦しむ状況を改善するためには、問題について率直に伝えあうが、対立に発展しない」という関係性をつくることが重要です。

提案したのは、「行動に特化したフィードバック」の活用

フィードバックで大切なのは…

  1. 自分から見える領域(現実)からはみ出さないこと
  2. 部下の行動から受けた自分への影響に意識を向けて、その影響を率直にフィードバックすること

行動に特化したフィードバックモデルには、順調な関係を維持できるだけでなく、未来志向の関係を築くメリットもあります。

さて、プライベートでも使えるというのは、このフィードバックが人間の心理に基づいているからです。

人は誰でも「自分の言動を相手がどのように受けとめているか」を知りたい欲求をもっています。承認欲求です。

自分から見える領域(現実)からはみ出さないことで、率直に「受け止めた内容」を相手に伝えることができます。

人間関係を深めるには、うれしい、たのしい、ありがとうなどポジティブな「受けとめ」を返せばよいのです。関係を深めたい方を対象に使ってください。

テニスのネットを念頭に置けばうまくいきます。

さて、さんざん人間関係で悩んできたビジネスパーソンは、引退生活においてまで、人間関係のわずらわしさに振りまわされたくない、というのが本音です。

自分の領域に踏み込まれたくないし、相手の領域に踏み込んで老害の認定を受けたくもない。

ということで、このフィードバックモデルは引退生活でも使えます

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