何もしない時間は、本当にムダなのか?走り続けた大人のための「ぼーっとする習慣」
多忙な日常の中、ふと訪れた空白の時間…。
それでも心の中は、
何か忘れてない?
時間がもったいない…
そんな落ち着かない感覚はありませんか?
予定が埋まっていないと不安になる…
いわゆる「空白恐怖症」に悩む人は、少なくありません。
特に、公私ともに責任を重ねてきた年代ほど、
立ち止まることにどこか後ろめたさを感じてしまいがち。
ここで甘えたら終わりだ
そんな思いが、知らず知らずのうちにブレーキをかけているのかもしれません。
今回は、オランダで生まれた「何もしない」という考え方を手がかりに、
大人があえて立ち止まることの
意味を紐解いていきます
脳のアイドリング状態である「何もしない時間」が持つ効果を知ることで、罪悪感なく、心と頭を整えるヒントが見えてきます。
時にはあえて「ぼーっとする」ことも、現代を生きる私たちにとっては欠かせない時間。
時間のムダではありません。

「常に何かしなきゃ」という不安 …
それ、脳が疲れているサインかも

仕事でもプライベートでも、私たちは気づかぬうちに、膨大な情報にさらされています。
ちょっとした空き時間にもついスマホを取り出し、ニュースやメールをチェックしてしまう。
常に何かしなきゃと不安になる…
そう感じているなら、脳が情報過多で「過労状態」になっているサインかもしれません。
なぜ私たちは「何もしない時間」を恐れるのか

若い頃は、一晩眠ればリセットできました。
しかし、今は違います。
年齢とともに無理が効かなくなる一方で、「会社での責任」や「家族への義務」といった重圧は増すばかり。
体力の右肩下がりとは裏腹に、しがらみや不安は重くなっていきます。
この「衰え」と「重圧」のズレが焦りとなり、「空白恐怖症」を引き起こすのです。
もし今、あなたがそんな息苦しさを感じているなら…
まずは、疲れと焦りの両面から、静かにふり返ってみてください。
心身の疲労がたまりやすいアラフィフ世代。
「何もしないこと」は、決して怠慢ではありません。
それは…
変化する自分をいたわり、
長く走り続けるための「メンテナンス」
まずは、その認識を変えることから、始めてみませんか。
「ソロ活」や「能動的な休息」との違い

当ブログの過去記事では…
自分を見つめ直す「ソロ活」や、趣味に没頭したり身体を動かして回復する「休息(アクティブレスト)」についてお伝えしました。
これらはストレス解消にとても効果的。
特に、身体を動かすことで脳を休めるアプローチは、プレイングマネジャーなど多忙な方には有効な手段です。
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しかし、これらはリラックスしてはいても「何かをしている(=脳が情報処理を続けている)」状態と言えます。
「ソロ活」も、自分を取り戻す素晴らしい時間ですが、そこには「楽しむ」「体験する」という能動的な目的が含まれていることが多いでしょう。
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これらの「能動的な休息」は心の充実をもたらします。
それに加えて、
脳への情報入力を完全にシャットアウトする
「受動的な休息」も
今の私たちには欠かせません
車のエンジンを完全に切って休ませるように、脳にも「何もしない時間」が必要です。
オランダ発のライフスタイル「Niksen(ニクセン)」とは?

ここからは罪悪感を手放し、
あえて「何もしない」ことを肯定する考え方をご紹介します。
紹介するのは、
オランダ発祥のライフスタイル
「ニクセン(Niksen)」です
ニクセンとは、オランダ語で「何もしないこと」を意味します。
目的を持たず、生産的な活動を一切手放し、ただぼーっと過ごす。
そんな時間をあえて日常に取り入れるのがニクセンの考え方です。
ぼーっとする時間が「脳」を整える理由

何もしないなんて、
ただの時間のムダでは?
そう思われるのも無理はありません。
しかし、そのとき脳では、
「デフォルト・モード・ネットワーク」と呼ばれる機能がオンになっています。
例えると…
脳内の「情報の整理整頓タイム」
私たちが活動している間、脳は情報入力で手一杯。
しかし、ぼーっとすることで入力が止まり、脳はバラバラになった記憶や情報を結びつけ、きれいに整理し始めます。
散らかった部屋を片付けるように、ニクセンは脳内をクリアにしてくれるのです。
それは「サボり」ではなく、走り続けてきた自分への「報酬」

休みの日に、ついダラダラして
1日が終わってしまった…
こんなふうに、自己嫌悪に陥る人は多い。
筆者もそのうちの一人。
でも、ニクセンを知るに至り、
「サボりたいから何もしないのではない」と、考えを改めました。
これまで長く走り続けてきたからこそ
脳がその時間を求めているのだ
このように考え直し、今では「ダラダラ」の肯定派側にいます。
ニクセンの素晴らしいところは、
「罪悪感なくダラダラする」ことを肯定している点にあります。
「今日はあえて何もしない日だ」と決めてダラダラしてみてください。
つまり、忙しさに追われて自分を見失うのではなく、
「今日は何もしない」と
自分で主体的に決める
それは、
「何もしなくても、私の価値は揺るがない」という自立の証明でもあるのです。
「何もしない」を、停滞ではなく「人生の準備期間」として受け入れる。
アラフィフ世代こそ、「何もしない」という選択肢をもってはいかがでしょう。
今日からできる!「ぼーっとする習慣」の取り入れ方

ニクセンを実践するために、特別な準備や場所は必要ありません。
大切なのは、
日常の中に「何もしない余白」を組み込むこと。
ルールはひとつ。
何かをしようとしない
それだけです。
「窓の外を眺める」という小さな儀式

もっともシンプルで効果的なのが、
窓の外を眺めるだけ…
の時間をつくること
休日の朝や、仕事の合間。
コーヒーを片手に、5〜10分で十分です。
- 空の雲が流れていくのを眺める
- 風に揺れる木々をただ見る
- 行き交う人をぼんやり目で追う
ポイントは、意味を見つけようとしないこと。
頭の中に、
あ、メール返さなきゃ
…という思考が浮かんでも、打ち消さない。
止めようとせず、
川を流れる葉のように、ただ見送る。
それだけで、脳は静かに整い始めます。
1日5分、スマホを「物理的に」遠ざける

何もしないと手持ち無沙汰で…
そう感じるのは、ごく自然な反応。
今の私たちは、退屈=スマホという反射が染みついているからです。
だからこそ、ニクセンでは
物理的に距離を置くのが
ポイントになります
- スマホを別の部屋に置く
- 引き出しや箱に入れて視界から消す
裏返すだけでは不十分。
見えているだけで、脳はエネルギーを消費します。
別の場所に充電器を設置してスマホをつなぎ、
「スマホも自分も5分充電」とやってみる。
最初は5分でも長く感じます。
脳がデジタル刺激を欲しがるからです。
慣れるまで、少し違和感もある。
でも習慣になると、頭の中のノイズがすっと静まり、「何もしていないのに、回復している」感覚が訪れます。
「完全に何もしない」がつらい人へ

何かしていないと落ち着かない
…という方もいるでしょう。
そんなときは、意識をほとんど使わない行為を入り口にしてください。
- 図案を考えない落書き
- ただ炎や水の動きを眺める
- 目的なく流れる音楽を聴く
大切なのは、
「成果」や「上達」を持ち込まないこと
これらは「何もしない」に入るための、ニクセンの助走にあたります。
「何もしない」を守る環境をつくる

日本では、「休んでいる自分」に 無意識の罪悪感がつきまといがちです。
だからこそ、環境の力を借ります。
- 香りをひとつ決める(オフの合図)
- 重さのあるブランケットやクッションを使う
- 「今はニクセン中」と名づける
あえて名前を与える。すると…
何もしない時間は
「正当な行為」へと変わります
ぼーっとするのは「最高の休息」

何かしていないと不安になる…。
その感覚は、ごく自然です。
でも、心から休みたいと思う時は
「休んでいる=怠けている」という考え方を、いったん脇に置きましょう。
そこで使えるのが…
オランダ流の「ニクセン」
過去の記事でおすすめしてきたような、ソロ活や趣味を楽しむ「動の休息」。
そして、
今回ご紹介したニクセンのような「静の休息」。
この2つを上手に使い分けることで、あなたの心と脳のコンディションは整い、日々の暮らしはより味わい深いものになります。
これから先を、無理に何かを足し続けるのではなく、
余分なものを削ぎ落としながら進む
人生には、そんな選択肢があってもいい。
それはモノや支出だけでなく、心の持ち方にも言えることです。
ニクセンに、正解も上達もありません。
まずは今日、
窓の外を5分眺めるだけでいいのです。
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「人生のダウンサイジング」:断捨離×節約×キャリア戦略
今度の週末は、ぜひ「ぼーっとする時間」を自分に許してあげましょう。





































