昼寝ゼロでも戦える|プレイングマネジャーのための「動いて回復する」休息戦略
午後のパフォーマンス維持には、
15分程度のパワーナップ(仮眠)が効果的…。
ビジネス書やライフハック記事で、そんな言葉をよく目にするようになりました。
とはいえ…
私たちの現実はどうでしょうか?
部下からのひっきりなしの相談
鳴り止まない通知、周囲の視線…
「職場のデスクで寝る」なんて芸当は不可能です。
では…
休めない私たちは、ただ消耗していくしかないのでしょうか?
いいえ、どうかご安心を。
最新の研究では、「静かに寝る」ことだけが休息ではないことがわかってきました。
NSDR(ノン・スリープ・ディープレスト)と呼ばれる考え方です。
この記事では、昼寝ができない多忙なリーダーのために、次の2点をご紹介します。
- 勤務中に「あえて動く」ことで脳を回復させる技術
- 月曜の朝、最高の状態でスタートするための週末戦略
「意識高い系の健康法」ではありません。
寝られない環境でも成果を出し続けるための、
現実的なサバイバル術です
【参考記事】
もし、「そもそも休む以前に、仕事量そのものが破綻している」と感じたら、プレイング業務の設計から見直す必要があります。👇の記事が参考になります。
「疲れたら寝る」だけでは不十分? 脳疲労と「軽く動く休息」の科学


週末は一日中ベッドにいたい
その気持ち、よくわかります。
確かに、
慢性的な睡眠不足を抱える方には、まずは十分な睡眠が必要。
ただし…
あなたの疲労がデスクワークからくる場合は、
脳の代謝負荷や、長時間同じ姿勢
でいる影響も考えられます
その理由と、パフォーマンス維持に役立つ回復方法をご紹介します。
じっとしているだけでは回復しにくい理由


デスクワーク中心の私たちが感じる疲れには、
筋肉だけでなく、前頭前野を中心とした脳の代謝負荷や、長時間座位による循環の変化も関わっていると考えられています(Exp Physiol. 2024 Oct 25)。
精神的な作業を続けるほど、脳は少しずつ消耗する。
集中力や判断力が鈍っていくのは、
ごく自然な反応です。
そこに座りっぱなしの状態が重なると…
血流が低下し、気分の落ち込みや作業効率の低下を招きやすくなります。
その結果、
- 眠気はないのに頭が重い
- 集中しようとしても思考が鈍い
- 休んだはずなのにスッキリしない
…といった状態に陥ることがあります。
ここで重要なのは、
「休息=動かないこと」ではない
という点です
最新研究が示す「軽く動く休息(アクティブレスト)」の効能


そこで注目したいのが、
トップアスリートも実践する…
アクティブレスト(積極的休養)
という考え方
あえて軽く体を動かすことで全身の血流を促し、脳や筋肉への酸素供給や代謝をサポートすることを目的とします。
ジョージア大学の研究でも、低強度の運動が疲労感の軽減に効果的であることが示されています。
激しい運動は必要ありません。
- 立ち上がる
- 歩く
- 体をほぐす
この程度の、ごく軽い身体活動で十分。
「疲れているから動かない」ではなく、「疲れているからこそ、軽く動く」。
- 十分に寝ているはずなのに疲れが抜けない
- 日中に集中力が落ちやすい
こうした状態が続く場合は、
「適度に体を動かす」という休息方法
も試してはいかがでしょう
【関連記事】
脳の疲労を放置し続けると、意欲そのものが枯渇してしまうリスクがあります。燃え尽きてしまう前に対策を知っておきましょう。👇の記事が使えます。
勤務時間内にこっそり実行。「脳を再起動」させる10分間のアクション


昼寝ができなくても、アクティブレストなら勤務中に「仕事の一環」として取り入れられます。
これから紹介するのは、サボりだと思われず、かつ効率よく脳の血流を戻すための3つのアクションです。
【関連記事】
「やった方がいい」と分かっていても、疲れていると最初の一歩が重いものです。行動のハードルそのものを下げたい人は、👇の記事が参考になります。
① エレベーターを使わず「階段」を使う


最も手軽で、かつ即効性が期待できるアクティブレストが、
「階段を使う」という選択
下半身の大きな筋肉を動かすことでポンプ作用が働き、一時的に全身の循環が高まりやすくなります。
その結果、
眠気が抜けやすくなったり、 頭がシャキッとなる効果が期待できます。
【引用ボックス|研究の裏付け】
Randolph D.D. と O’Connor P.J. の研究では、
睡眠不足の若い女性を対象に10分間の低〜中強度の階段昇降を行わせたところ、
カフェイン50mg(コーヒー半杯程度)を摂取した場合よりも、主観的なエネルギーレベルが高まったと報告されています。
Stair Climbing Workouts: Health Benefits, How to Get Started, and How to Get Better
たった1フロア分でも構いません。
この小さな負荷が、停滞した状態から脳を切り替えるきっかけになります。
② デスクで完結する「肩甲骨はがし」


座ったまま、両手を肩に置き、肘で大きな円を描くように回します。
ポイントは「肩甲骨を寄せる」意識
デスクワークで凝り固まりやすい背中周りが動くと、自然と胸が開き、呼吸が深くなりやすくなります。
結果として、
脳への酸素供給がサポートされ、思考のキレが戻る効果が実感しやすくなります。
【引用ボックス|生理学的な根拠】
肩甲骨が外側に開いた(外転した)状態では、胸郭の動きが制限され、一回換気量(1回の呼吸で取り込める空気量)が低下することが報告されています。
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001205625274240
肩甲骨を寄せるという運動は、何より「気軽さ」が大きなメリット。
サボりに見えない回復ストレッチです。
③ 早歩きでの「ランチ・ウォーキング」


昼食をデスクでPCを見ながら摂るのは、休息としては効率がよくありません。
脳が常に「オン」の状態だからです。
外に出て、
少し息が弾む程度の早歩きでランチへ向かいましょう。
一定のリズムで体を動かすことは、
気分の安定や集中力の回復に関与する神経系を刺激する効果が期待できます。
【引用ボックス|リズム運動とセロトニン】
ウォーキングやジョギングなどの歩行運動、呼吸にリズムを伴うヨガや座禅、咀嚼(ガムを噛む)といった行為は、セロトニン神経の活性化に関与するとされています。
https://cotree.jp/columns/571
ほんの10分、外の空気を吸いながら歩くだけ。
これなら、習慣化しやすい。
「寝だめ」だけでは逆効果?月曜の朝を変える「戦略的週末」の過ごし方


平日が激務だと、週末は「泥のように眠る」ことで回復を図ろうとしがち…。
しかし、その週末の過ごし方は、本当に「回復」になっているでしょうか?
もし日曜の夜に「明日からまた仕事か……」と絶望しているなら、
それは休息の設計ミスです
脳を時差ボケにさせる「ソーシャル・ジェットラグ」


平日は6時起き、でも休日は11時起き
このように起床時間に大きなズレがあると、脳は「時差ボケ」状態に陥ります。
これを「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」と呼びます。
ソーシャル・ジェットラグとは…
平日と休日の睡眠リズムのズレ(時差)によって生じる心身の不調のこと。ドイツの時間生物学者Roenneberg(ローエンバーグ)らが2006年に提唱した概念
海外旅行から帰ったときのようなダルさを、自ら毎週作り出しているのです。
これでは月曜の朝、体が鉛のように重くて当然です。
起床時間は「平日+2時間」以内に留める


睡眠負債を返済したい場合でも、朝寝坊は「平日+2時間」までに留めるのが鉄則。
もし平日が7時起きなら…
休日は遅くとも9時には起きる。
それでも眠気が残る場合は、
昼過ぎに仮眠をとるか、夜に早く寝ることで調整します。
起床時間を揃えるだけで、体内時計のリズムが整い、
月曜朝の
スタートダッシュが決まります
脳の未使用エリアを使う「転換的休養」


平日に「論理的思考」や「数字の管理」で脳を酷使しているなら、週末はそのエリアを休ませる必要があります。
そのためには、
普段使っていない脳のエリア
を使うのが効果的
- 感性を使う: キャンプ・料理・映画鑑賞
- 身体感覚を使う: スポーツ・サウナ・楽器演奏
これを「転換的休養」と呼びます。
脳の使う場所を切り替えることで回復を促す考え方です。
ただ横になるよりも、別の活動に没頭して仕事のストレスを上書きする方が、脳はリフレッシュできるのです。
【関連記事】
脳のスイッチを切り替える具体的な方法として、日常から少し離れる「小さな冒険」を取り入れるのも有効です。
休息は「天からの恵み」ではなく「ビジネススキル」


昼寝ができない、休みが少ない。
だからこそ、私たちは休息を「運任せ」にしてはいけません。
仕事と同じく、意図的な設計が必要
ここまで紹介してきた「アクティブレスト」や「転換的休養」は、特別な才能も道具も必要ありません。
- 疲れているときこそ、あえて動く
- 週末は寝だめせず、違う脳を使う
これらを「技術」として習得すれば…
多忙な中でもパフォーマンスを一定に保つことができます。
つまり…
長く第一線で戦い続けるためのビジネススキル。
まずは今日、数分でできるリフレッシュ方法から試してみませんか?
エレベーターを1階分だけ手前で降りて、階段を使ってみる。これだけです。
【関連記事】
「自分がやった方が早い」を手放すことで、あなたの時間はもっと自由になります。
手放し方は👇の記事にて解説。






















































