プレゼンは、説明力によって相手に与える影響が大きく変わります。
説明力を高めると、プレゼンの目的を達成しやすくなるとともに、自分の信頼性や評価も上がる。
スピーチと同様、プレゼンは、あなたのポテンシャルを証明する舞台でもあります。
しかし、周囲の期待を背負うため、責任も重い。
自社の利益に直結するケースが多いからです。
準備が十分かどうか不安、失敗したらどうしようなど、悩みも深い。
そこで、本記事では「プレゼンの説明力」をテーマに…
必ずやるべき3つのことを解説!
スピーチの目的は、自分の考えや感想を相手に伝えて、相手の理解や共感を得ることです。
いっぽうプレゼンは、自分の考えや提案を相手に伝えて、相手の行動や心理を自分の意図に沿った方向に変化させることが目的。
つまり、変化を起こせるかどうかが、プレゼンの成否の分かれ目になります。
その「変化を起こす」ポイントが次の3点。
- キーメッセージを導入・展開・終末にさし込む
- 「ここぞ…」の要所で効果的にアピールする
- キーパーソンの反応でシナリオを変える
これらのポイントを解説していきます。
本記事は、 【説明力アップ】で仕事も人生も好転!3ステップでOK!の実践編です。
説明力の基礎知識を知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
キーメッセージを導入・展開・終末にさし込む
※ 社外プレゼンを取り上げて例示していきます。
キーメッセージのつくり方
キーメッセージは、プレゼンのタイトルに沿った、重要なポイントを端的に伝えるものです。
キーメッセージをつくることは、プレゼン成功への第一歩。
たとえば、自社が提供するサービスの採用実績をキーメッセージにする。
- 月間利用者数100万人突破
- コスト削減率50%以上
- 売上目標達成率120%
- 顧客満足度90%以上
- 新規契約数300件増
ポイントは…
- 平仮名や助詞などの不要な要素をカット
- 何がどうなるのか数字で表記
- 13字以内で表記
キーメッセージが明確であれば、そのプレゼンは印象に残りやすくなります。
逆に、キーメッセージが曖昧であれば、聞き手はプレゼンのポイントが何なのかわからず、興味を失ってしまうかもしれません。
キーメッセージは…
自社以外では手に入らないメリットは何か?
…という問いから導き出します。
ほかの商品(サービス)と、何が違うのか? 優位性は? 先進性は? などの問いです。
最後に、相手のニーズにフィットさせて決定します。
キーメッセージのさし込み方(事例)
キーメッセージを導入・展開・終末に配置すれば、メリットが際立ち、クロージングにつながりやすくなります。
では、キーメッセージをどのようにさし込むか?
これをECコンサルでの…
「月間アクセス数3倍増」というキーメッセージを活用した事例で説明します。
まず最初に…
月間アクセス数3倍増!
つづけて…
これは、私たちのサービスがお客様のビジネスにどれだけ貢献しているかを示す数字です。
私たちは、この結果をお客様にお約束し、実現するために、常に最新の技術と最高のサポートを提供しています。
つづけて、サービス内容の説明…
本社のサービスとは、最先端のAI技術を用いて、お客様のウェブサイトのコンテンツやデザインを最適化するサービスです。
お客様のウェブサイトに訪れるユーザーの行動や嗜好を分析し、それに応じて、最も効果的なコンテンツやデザインを自動的に提供します。
これにより、お客様のウェブサイトの魅力が高まり、ユーザーの滞在時間やコンバージョン率が向上します。
つづけて、事例を使ってキーメッセージを強調…
本社のサービスは、他社のサービスと比べて、3つの点で優れています。
- AI技術の精度とスピード
- カスタマイズの自由度
- リーズナブルな料金体系
私たちのサービスを利用したECサイトの一つでは、導入後2週間で検索エンジンからのアクセス数が3.5倍に増加しました。
これは、本社のサービスがお客様のウェブサイトの価値を高めることを証明する成果です。
さらに、相手にアクションを促し、キーメッセージで締める…
私たちのサービスは、ECサイトのアクセス数やコンバージョン率を向上させたい、という御社の期待に沿える機能をすべて備えています。
私たちのサービスを導入すれば、ECサイトの成果を飛躍的に向上させることができます。ぜひ、私たちのサービスをお試しください。
私たちは「月間アクセス数3倍増」を皆さんにお約束します。
ご質問やご要望がありましたら、このあとお気軽にお申し出ください。
「ここぞ…」の要所を効果的にアピールする
プレゼンの要所とは?
プレゼンの要所は、「動かぬ証拠」を突きつける場面です。
「動かぬ証拠」とは、[キーメッセージを証明する] スライドです。
たとえば、「加入者約1200万件増」というキーメッセージ。
[加入者数の推移を示すグラフ]のスライド指して「このグラフをご覧ください」と、注目を促す場面が「サビ」になる。
プレゼンは、相手に「動かぬ証拠」を視覚的に焼きつけるためのツールです。
プレゼンの強みであり、ここが視覚効果を発揮させる要所になります。
「動かぬ証拠」は、キーメッセージに対して、反論や疑問を生じさせないような強力な根拠であることが必要です。
- キーメッセージに直接関係するものであること
- 客観的に検証できるものであること
- 聞き手にとって重要で興味深いものであること
…などが求められます。
要所での効果的なアピール方法とポイント
難しいのは、相手が「どうせ、営業。いいことしか言わないよね」という構えでいること。
そこで、データ資料を提示する前に、資料にまつわるストーリーを組み込むことを検討しましょう。
たとえばECコンサル…
他社の例ですが…
つづけて…
昨年、「ECサイトのクリック率やコンバージョン率が低く、売上にも影響が出ている」というご相談を承りました。
昨年の11月時点では、クリック率は0.3%、コンバージョン率は0.8%にまで落ち込んでいました。これは、業界の平均値である1.8%と3.5%に比べて、非常に低い数字です。
そこで、弊社のほうでシステムやプラットフォームを改善し、機能やデザインをカスタマイズしてECサイトをリプレースしました。
その結果をご覧ください…
そして、改善前後の比較グラフを提示する。
これがプレゼンの「サビ」として機能します。
今年の1月には、クリック率が1.6%に、コンバージョン率は3.1%上昇しました。それぞれ4.4倍と2.9倍に増加しています。
その結果、売上も40%増加しました。
弊社のサービスが、ECサイトの成果を飛躍的に向上させた一例でございます。
ここで自社の優位性を強調…
コンバージョン率が向上したのは、AI技術を用いたWeb接客ツールが有効に機能したからです。
導入後のコンバージョン率の急上昇が、有効性を証明しています。
このツールの導入により、サイト訪問者に対してチャットやポップアップでメッセージを自動的に発信できるようになります。
訪問者の行動や属性に応じて最適なタイミングでメッセージを表示し、コンバージョンに導くという流れです。
他社にはない弊社の独自開発のツールです。
実際にこの場で体験していただきたいと思いまして、デモサイトを用意しました。
どうぞ、ご体験ください。
このように、ストーリー仕立てで数字を示すと、説明内容が現実味を帯びます。
このことによって、「我が社も提案されたサービス導入によって同等のメリットを手にすることができる」と、相手の期待をふくらませることができます。
ポイントは次の4点…
- 「〇月」など具体的な時期を入れて、時系列で話す。
- どんな課題があり、それをどうやって解決したかと経緯を話す。
- どんな「恩恵」をもたらされたかを話す。
- どんな仕掛けを用いたか、自社の優位性を示す。
事例の最後のように「体験してもらう」ことも有効です。
実際に見る、さわる、食す、使ってみるなどの実体験は「動かぬ証拠」を補強します。
このことを含め、
要所の効果を高めるポイントを5点紹介します…
➊ 相手の課題やニーズを事前にリサーチ
Web接客ツールの売り込みでは、相手の業種や規模、顧客層、競合状況などを事前に調べておき、その情報をもとに相手にとってのメリットや解決策を提示することで、信頼感や関心を高めることができます。
➋ 自社の実績や事例を紹介する
Web接客ツールの効果や機能を説明するだけではなく、自社の実績や事例を紹介することで、相手に具体的なイメージや期待感を与えることができます。
事例は相手の業種や課題に近いものを選び、数字やグラフなどで効果を分かりやすく示すとより説得力が高まります。
➌ 相手の質問や反論への対応
相手からの質問や反論を想定して、事前に対応策を練っておくことが重要です。
質問には正確かつ丁寧に回答し、反論には論理的に反論することで、相手の疑問や不安を解消し、信頼関係を築くことができます。
➍ 相手の感情に訴える
相手の理性だけでなく感情にも訴えることが効果的です。
相手の悩みや願望に共感したり、ストーリーやエピソードを交えたり、ユーモアをおり込んだりすることで、相手の興味や好感を引くことができます。
➎ クロージングを意識する
目的は、最終的に相手に契約や購入を促すことです。
そのため、プレゼンの最後にはクロージングを意識し、相手に次のアクションを取らせることが重要です。
- 相手の意思を確認する。
- 相手の疑念を晴らす。
- 期限や特典を提示する。
- 追加の提案やフォローアップを行う。
…などの「ひと押し」で相手の決断を促すことができます。
キーパーソンの反応でシナリオを変える
キーパーソンの反応で事前にカスタマイズ
時間制限のあるプレゼンは、どうしても内容の詰め込みが起こってしまう。
しかし、一方的な説明に終始すると、聞き手は退屈し始めます。
とくに気になるのは、予算面など最終決定権をもつキーパーソンの反応。
キーパーソンが興味を失えば結果に結びつきません。
そこで大切になるのは、キーパーソンがどこにいて、どんな様子なのかを、発表の合間に観察すること。
- ずっと下を向いている…
- 資料をパラパラめくっているだけ…
- 目が泳いでいる…
などの様子があれば、説明の方向を柔軟に変える必要があります。
まずは、事前の準備について…
できる限りキーパーソンに向けて説明の内容をカスタマイズしておく。
「当社のためによく準備してくれた」と好印象をもたれるような準備をしておきます。
そのためには、相手企業やその業界特有の課題を事前調査し、発表や資料の中におり込むことが必要です。
たとえば「事前調査」で相手企業が…
売り上げが低迷して悩んどる。
ECサイトを立ち上げたが、売り上げに結びつかん…
そこで、プレゼンのなかで…
貴社のECサイトは、商品の品揃えや価格、デザインなどに優れており、多くのユーザーにアクセスされています。
その一方で、クリック率やコンバージョン率が低く、売上にも影響が出ているという課題があります。
ECサイトのコンバージョン率は、平均で2%程度ですが、調査の結果、貴社のECサイトのコンバージョン率は1%に満たないことがわかりました。
これは、貴社のECサイトが、ユーザーのニーズに合わせた接客ができていないことが原因と考えられます。
…など事前調査に基づいた分析をズバリ述べて、核心をつく。
そして、次のような提案につなぐ…
私たちが開発したWeb接客ツールは、AI技術を活用して、ユーザーの属性や嗜好、購買履歴などを分析し、最適な商品やコンテンツをリアルタイムに提供することができます。
これにより、ユーザーの興味や関心を引きつけ、購買意欲を高めることができます。
また、Web接客ツールは、貴社のECサイトに簡単に導入でき、管理画面から設定や分析ができるため、運用も簡単です。
プレゼン中の対応:2つのケース(事例)
プレゼン中、キーパーソンが集中できていない場合は…
その時・その場で、鬱屈した状態を解消します
集中できない原因は、
- 疑問がうず巻いている
- 内容を理解できない
- ほかに気なることがある
…などの理由があるためです
いちばんよい方法は、
キーパーソンから質問を引き出すこと
キーパーソンの様子が気になったら…
ここまでのところで、何かご不明な点はありますでしょうか?
…とキリのよいところで止めて質問を促す。
関係ができている場合は、名指しして、
本部長、ここまでの説明でわかりにくい点はありませんか?
…と直接、キーパーソンから質問を引き出してみる。
その質問内容によって、プレゼンの流れや順序、内容や重点などを、その場で調整します。
たとえば…
ツールの導入にかかわる費用をまず知りたい。
…ということであれば、
ご質問ありがとうございます。
つづけて…
Web接客ツールの料金についてご案内いたします。
弊社のWeb接客ツールは、導入費用と月額利用料の2つで構成されております。
導入費用は10万円、月額利用料は1万円です。
Web接客ツールの導入平均額は、導入時が20万円前後、月額利用料が3万円以上です。
弊社は、最新のAI技術と効率的な開発プロセスによって、高品質なサービスを低コストで提供できます。
しかも、人工知能を活用した高度な対話機能や、豊富な分析レポートなど、他社にはない独自の特徴を持っております。
…と、終末のダメ押しで低価格をアピールするシナリオだったとしても、ここで回答します。
キーパソンの「心のひっかかり」を引きずらないように、柔軟にシナリオを変更していくことがポイントです。
ほかには…
ユーザーの属性や行動履歴に応じて最適なメッセージやオファーを表示する、というのがイメージできない。
うちにどんなメリットがあるのかも詳しく知りたい。
ご質問ありがとうございます。
つづけて…
実際に見ていただくと、イメージできると思います。
本日はデモサイトを用意しています。
お手元のタブレットを使いますので、起動していただけますか。
起動するとすぐに、御社のECサイトをモデルにした試用サイトが立ち上がります。
ご覧のように、Webサイトの右下にポップアップが出てきましたね。
これが、私たちのWeb接客ツールです。
このポップアップは、Webサイトに訪れたユーザーに対して、特定のアクションを促すために表示されます。
資料請求や問い合わせ、会員登録やカートに入れるなどのアクションです。
ユーザーの属性や行動履歴に応じて、最適なメッセージやオファーを表示することができます。
これにより、ユーザーの関心を引きつけ、コンバージョン率を向上させることができます。
また、Webサイトに訪れたユーザーの滞在時間や閲覧ページ数などに応じて、表示タイミングや頻度を調整することができます。
たとえば、ユーザーがWebサイトに10秒以上滞在したら、ポップアップを表示するという設定ができます。
ユーザーがポップアップを閉じたり、無視したりした場合は、再度表示しないという設定もできます。
これにより、ユーザーの嫌悪感を避け、効果的な接客を行うことができます。
さらに、表示回数やクリック率、コンバージョン率などの指標をリアルタイムで測定し、分析することもできます。
たとえば、どのポップアップがどのユーザーに対してどのような効果をもたらしたかを確認できます。
メニューから管理画面に行けます。
ご覧ください…
また、ポップアップの内容や設定をA/Bテストすることも可能です。
これにより、ポップアップの効果を最適化し、改善することができます。
では、実際にポップアップを操作してみてください。
ポップアップのメッセージやボタンをタップしましょう。
ポップアップがどのように動作するのかお確かめください。
いかがでしたか?
ポップアップの効果は実感できたでしょうか?
この機能により、Web接客ツールを導入したECサイトは、平均でクリック率が30%、コンバージョン率が15%、売上が20%向上したという実績があります。
貴社は、既存顧客が多いという特徴があります。
これに加えてWeb接客ツールを導入すれば、新規顧客にもアプローチできます。
売り上げが向上することはまちがいありません。
…と、質問に応じてデモ体験の一部をここでさし込む。
キーパーソンが納得し関心を高めると、周囲の人たちも顔を上げて聞くようになります。
このように、説明の方向を柔軟に変えることで、採用決定者の関心を引きつけたり、疑問や不満を解消したりできます。
まずは、キーパーソンの観察を忘れずに…
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