人材不足が深刻な現在、ウェルビーイングの注目度が高まっています。
生産性の向上や採用競争力の強化、離職防止とセットで語られことが多く、ウェルビーイングを経営課題に挙げる企業も増えました。
ウェルビーイングは、肉体的にも精神的にも社会的にも満たされた状態を指します。
以下は、米国の心理学者マーティン・セリグマンが示したウェルビーイングの5つの要素。
頭文字をとってPERMA理論とも呼ばれます。
【 PERMA理論の5要素 】
- Positive Emotion/心身ともに健康であること
- Engagement/コミュニティへの帰属意識
- Relation/良好な人間関係
- Meaning/モチベーション・目標の有無
- Achieve/金銭的安定報酬
これらの要素が満たされれば、社員の創造性や生産性が高まり、離職率を下げることも可能。
となれば…
人材不足の課題を抱える企業にとってはメリットが大きい。
以下の資料のとおり、その効果は定量的にも示されています。
※ソフトバンク株式会社 統合報告書2022/P107
ソフトバンクは従業員のウェルビーイングを向上させる取り組みを行った結果、従業員満足度は年度ごとに着実に向上。
しかし、現場をあずかるマネジャーにとっては気がかりな点も多い。
「今度はどんな仕事が増えるの?」という新たな負荷の予感です。
ウェルビーイング経営、ウェルビーイング・マネジメントなる言葉も出現。
このような動きに直面し、マネジャー自身はウェルビーイングが低下する一方…
と推察いたします。
※ウェルビーイング経営:従業員が身体的、精神的、社会的に満たされるように組織の環境を整えていく経営手法を指す。
※ウェルビーイング・マネジメント:従業員の心身の健康や仕事へのやりがい、充実感など、総合的なウェルビーイングを向上させるためのマネジメント手法のこと。
そこで本記事は…
現場レベルでの
ウェルビーイング実現について解説!
あわせて、ウェルビーイングを前に進めるツールやサービスも紹介します。
※ 身体にかかわる健康の保持増進については省略
先に結論を申し上げると、ウェルビーイングは…
既存の制度やマネジメント業務の活用により、マネジャーの負担を軽減できます。
その着眼点やアプローチの方法を以下の順で解説。
➊ ウェルビーイングを実現するための2つの前提条件
➋ ウェルビーイングを実現する3つのアプローチ
ウェルビーイングを実現するための2つの前提条件
社員のキャリア自律が前提になる
社員の仕事をラクにすることが、ウェルビーイングではありません。
苦労のない状態をつくり出すことでもない。
ウェルビーイングは「社員がやりがいを感じ、張りのある毎日を送れる」状態をつくり出すことで実現します。
前提となるのが社員のキャリア自律です。
- どんな仕事にやりがいを感じるか。
- 仕事をとおしてどんな成長を遂げたいか。
- そのために自分はどんな行動を起こすか。
…などを社員が主体的に考えて初めてウェルビーイングを前に進めることができます。
社員自身が何をもってウェルビーイングな状態なのか不明では、何をどうマネジメントするとよいか、方針すら立てられないからです。
つまり、理想とする働き方を自ら追求するなど…
社員のキャリアに対する当事者意識(キャリア・オーナーシップ)が、ウェルビーイング実現の糸口になります。
社員に当事者意識がないと…
ウェルビーイングは、企業やマネジャーが社員に一方的に「与えるもの」になります。
両者のウェルビーイングに対する認識にズレが生じたら、互いに不信感しか残りません。
結果、「ウェルビーイングを掲げながら遠ざかる」という皮肉な結末を迎えます。
社員はキャリア・オーナーシップをもち、自身のウェルビーイングについて主体的に考える。
企業やマネジャーは、対話をとおして社員が求めるやりがいを把握し、マネジメントに組み込む。この相互作用があってこそウェルビーイングは前に進みます。
「与えるもの」「与えられるもの」という関係のなかで、ウェルビーイングは実現しません。
カギを握るのは、まず…
キャリア自律支援です!
自社パーパスの浸透が社員をつなぎとめる
世界情勢やIT進化により、企業には環境の変化に素早く、かつ柔軟に対応することが求められるようになりました。
変化対応力とも呼ばれ、その重要性は高まるばかりです。
今現在、現場に求められるのは…
社員の変化対応力の向上とウェルビーイングの両立です。
たとえば、リスキリングの導入。
自発性の欠如、スキル格差による社員のモチベーションの低下などが課題として浮上します。変化への抵抗感が潜在化する恐れもある。
※参考:リスキリングの記事「リスキリングとは?:マネジャーがやるべき3つの役割」
いっそう重視すべきことは…
仕事の意味づけや意義づけ!
具体的には、目の前の仕事をとおして、
- どんなやりがいを得られるか
- どんな成長が期待できるか
- 組織にどんな貢献ができるか
- 組織のなかでどんな責任を果たせるか
…といった点が明らかで、かつ納得感をもって業務にあたれること。
有効な手法が、パーパス・マネジメントです。
※参考:パーパスマネジメントの記事「パーパス経営&パーパスマネジメントとは?」
HR総研が実施したアンケート結果から…
パーパスの社内浸透が進んでいる企業群でこそ、ウェルビーイングも社員に浸透している状況が顕著となっている。
引用:「HR総研:『ウェルビーイングと健康経営』に関するアンケート 結果報告【ウェルビーイング編】」 https://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=348
…ということが明らかになりました。
つまり、パーパスの浸透とウェルビーイングの浸透は相関が高い。
パーパス・マネジメントは、「仕事に対する納得感の醸成」という点において、ウェルビーイングに有効に働くということです。
したがって…
パーパス・マネジメントの推進は、ウェルビーイングの実現につながる
…というとらえ方で、この課題に向き合えばよいのです。
ウェルビーイングを実現する3つのアプローチ
キャリア自律支援の促進
前述「社員のキャリア自律が前提になる」のとおり…
ウェルビーイングの実現とは、単に居心地のよさを追求することではありません。
社員ひとりひとりが自ら目標を設定し、それを実現していこうという意欲が湧いてくるような状況をつくることで実現します。
そのためには、会社が高い目標を押しつけるのではなく…
社員が主体的に目標を設定し、管理職はその達成度合いを見守り、サポートしていく状態が望ましい。
つまり、キャリア自律支援の体制づくりがカギになります。
しかし、新たにつくり出す必要はありません。
すでにある制度を使うほうが効率的。
いちばんのススメは…
セルフ・キャリアドックの積極的な活用です。
セルフ・キャリアドッグの積極的な活用は、ウェルビーイングの実現につながる!
…という認識をもち、社内に活用を促すこと。
※参考:キャリア形成・学び直し支援センター 厚生労働省委託事業「セルフ・キャリアドックについて」
マネジャー自身がキャリア自律支援の主体になる必要はありません。
社内制度に組み込んでウェルビーイングを進める。そうすることでマネジャーの負荷は軽減されます。
改正職業能力開発促進法によって、事業主によるキャリアコンサルティングの機会確保の責務が強化されました。
制度利用が眠っている場合は、掘り起こして活用を促してください。
厚生労働省「セルフ・キャリアドック導入の方針と展開」が参考になります。
活用上の注意点ですが、
社員とキャリアコンサルタントとの間には、守秘義務がありますので…
キャリアコンサルティング面談の個別の内容すべてをマネジャーと共有することはできません。
ただし、社員が同意した範囲内で、本人の希望や期待、抱えている課題、本人が希望している解決策などを、キャリアコンサルタントからフィードバックしてもらえます。
キャリアコンサルタントとマネジャーと本人の三者面談も可能。
このフィードバックをジョブアサインに活かすなどして、社員の「やりがい」をふくらませることがポイントです。
セルフ・キャリアドックを活用し、これを…
ウェルビーイングの実現に紐づける。
こういった視点でマネジメントを進めましょう。
マイパーパスの形成
社員のキャリア自律支援を進めることに一抹の不安がある、という声が聞かれます。
「一抹の不安」とは、キャリア自律を刺激すれば…
転職意向が高まるのではないか
…という離職誘発の不安です。
しかし、リクルートマネジメントソリューションズの「若手・中堅社員の自律的・主体的なキャリア形成に関する意識調査」から…
社員が自律的・主体的なキャリア形成をすると会社を辞めてしまうのではないか、という懸念に対しては、勤務先企業の目的や理念への共感や情緒的なコミットメントがあればそうはならない可能性が示唆された。
【調査発表】若手・中堅社員の自律的・主体的なキャリア形成に関する意識調査
https://www.recruit-ms.co.jp/press/pressrelease/detail/0000000358/
…ということが明らかになりました。
会社や所属チームが好きなら「キャリア自律していても必ずしも離職を選ばない」ということです。逆に、帰属意識の低い社員が起こすキャリア自律行動は、必然的に「離職」に行き着く…となります。
つまり、念頭に置くべきことは…
社員ひとりひとりの帰属意識!
重要になるのが、自社パーパスの浸透です。
※参考:パーパスマネジメントの記事「パーパス経営&パーパスマネジメントとは?」
近年、企業が自社の存在意義を見直し、パーパス経営にのりだすケースが増えました。
しかし、パーパスを打ち立てても社員に浸透せず、「有効に機能していない」という企業は少なくありません。
原因は、自社パーパスと社員のマイパーパスとの間に接点がないことです。
マイパーパスとは、個人が自身の人生における選択肢を増やすために、自己の人生目的や働く意義を示すものです。
やるべきことは…
企業と社員のパーパスの「重なりを見つける場」をつくること
社員の自社パーパスに対する共感なしに、浸透は困難だからです。
この重要性に気づき、経営戦略に位置づけた企業があります。
紹介するのは… 味の素グループ
引用元:味の素グループのASV経営パーパスドリブン組織への変革(2021年 3月 23日)P14
「従業員エンゲージメント向上の取り組み」
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/ir/event/business_briefing/main/0114/teaserItems1/01/linkList/0/link/CEO%20message_J.pdf
味の素グループは、上図「ASV自分ごと化と個人の能力開発を高めるマネジメントサイクル」を構築し、そのプロセスに 従業員の「理解・納得」「共感・共鳴」の場を位置づけました。
これが企業と社員のパーパスの「重なりを見つける場」となり、サイクルを回す推進力になっています。
※ASV:「Ajinomoto Group Creating Shared Value」の略。味の素グループが事業を通じて社会が抱える課題や問題に取り組むことで社会的価値を創造し、その結果、経済的な価値も創造されることを意味する。
企業が掲げるパーパスと社員のマイパーパスとの重なりを見つける場、そしてマイパーパスの形成については、以下の記事でも解説しています。
ご参照ください…
コミュニケーション環境の充実
ウェルビーイングを進めるうえで避けて通れないのが、関係構築にかかわるコミュニケーションです。社員の幸福度に大きく影響する要素。
ポイントは…
コミュニケーション環境の充実!
HR総研の調査によると、73%の企業が「社内のコミュニケーションに課題がある」と回答しています。
引用:「社内コミュニケーションに関する調査」結果(公開日:2019/01/28)再グラフ化
https://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=222
コミュニケーション不足を指摘する関係を見ると…
- 部門間:71%
- 経営層と社員:56%
- 部署内の課長とメンバー:36%
- 部署内の部長とメンバー:33%
- 部署内のメンバー同士:31%
…という順で課題が挙げられています。
これらの結果からわかることは、多くの企業に…
コミュニケーション不全の兆候
…が見られることです。
コミュニケーション不全とは、組織から社員の声が消えることです。
不都合な事実や理不尽に対する不満、反対意見などの声が消えれば、組織の自浄作用は失われます。
自浄作用のない企業が行きつくところは、深刻なコンプライアンス違反の発生です。
コミュニケーションが希薄な環境では、ウェルビーイングも高まりません。
ウェルビーイングを高めるには、良好な人間関係が不可欠。
そのカギを握るのは、コミュニケーションを活性化させる環境づくりです。
平たくいえば…
「声を聞き合う機会」
を社内に拡充すること!
社員が聞きたい声、聞いてもらいたい声、互いに聞き合いたい声とは何か?
その内容を整理すると…
- 情報の共有
- 課題や問題、その原因と対策
- レポートラインでの意思疎通
- キャリアパスなどキャリアにかかわる相談
- 働き方や困りごとに関する悩み
- 安全と健康
- 業務に影響を及ぼすプライベートな事象
- 部署を超えた雑談機会
- 信頼する他者からの応援
これらの声をどのような方法で聞き合うことができるか、以下のように整理できます。
- 対面
- 社内外の相談機関の利用
- リモート
- 社内SNS
- アプリ
この2つを線で結んで可視化し、コミュニケーション環境の過不足や課題を整理します。
予想される課題としては、
- 意思疎通の手段がメールに偏っている。
- 経営陣とのコミュニケーションが断絶している。
- 勤務時間の制約等でプライベートな相談手段が使いづらい。
- 大切な報告なのに遅延が生じる。
- 自分と同じ「働き方の悩み」をもつ人とつながれない。
- 将来に対する漠然とした不安などキャリアにかかわる相談ラインがない。
- プライバシー保護が不安定。
- 気軽に話せるような社内バディを増やす機会が乏しい。
…などです。
これらをできる所から改善・充実していきます。
プランや予算を動かせるならば、ツール・空間の2つの方向から検討しましょう。
アイデアを4点紹介します。
スピーディーなコミュニケーションを実現!
迅速なコミュニケーションが課題であるならば、ビジネスチャットの導入をおススメします。
外出先や移動中でもコミュニケーションをとれるなど、日常的に使える便利さがあるので社内に広げやすい。
導入については、現場の使いやすさを第一に考えます。
製品によっては無料トライアルが設けられているので、現場の声を聞いてから導入を決めるとよいでしょう。
留意点は、現在社内で使われているツールとの連携の可否。
単独で使用するよりも、連携することで業務効率が上がるからです。
ツールを5点紹介しておきます…
Microsoft Teamsは、Office365の有料プランに含まれているサービス。
組織や案件ごとのチャットルームで、ファイル共有・チャット・通話・ファイル編集が可能です。
最大1000人まで参加可能なオンライン会議、ソフトバンクの「UniTalk」を通じた安全な電話システムなど、機能も充実。
https://products.office.com/ja-JP/microsoft-teams/group-chat-software
世界150ヵ国以上の企業で導入されています。
1対1のダイレクトチャットだけでなく、組織やプロジェクトの許可されたメンバーのみが参加できるチャンネルでやり取りできます。
GoogleドライブやDropboxなどのフォルダ共有サービスなど、外部ツールとの連携が可能。
多くの人が使い慣れたLINEをそのまま仕事で活用できるLINE WORKS。
カレンダー機能、アンケート機能、ファイル管理ができるDrive機能、チャットボット機能など、ビジネスに必要十分な機能を搭載しています。
使い勝手という点で社内に広げやすい。
https://line.worksmobile.com/jp/
日本企業が開発したチャットツールなので、使いやすく、見やすいのが特徴。
デザインもシンプルなので、アナログ世代の抵抗感を軽減できます。
タスク管理、ファイル共有、音声・ビデオ通話をマルチデバイスで利用可能。
国産ビジネスチャットツールで、AIが搭載されています。
コミュニケーションをデータ化し、チームのコンディションを可視化するというユニークなプラットフォームを提供。
導入コンサルやサポートが受けられます。
つながりを育み、幸福度を向上させる!
ウェルビーイング向上に好影響をもたらすのは…
組織内ポジションを超えたつながりです。
たとえば…
産休・育休から復帰した社員が、子育てしながら仕事を続ける同僚やその先輩とつながれば、悩みを共有したりロールモデルを見つけたりすることができます。
このような接点が増えると会社への愛着も深まる。
多様な「つながり」が生むツールとして紹介するのは…Happiness Planet(株式会社ハピネスプラネット)が開発したアプリ「ハピネスプラネット」です。
公式サイト:Happiness Planet
「毎朝出されるお題にコメントして、チームメンバーから応援メッセージが届く」というプログラムを提供。
Happiness Planetのホームページより
https://happiness-planet.org/
利用者からは「隣のチームの先輩に気軽に相談できるようになりました」との声が寄せられています。
2023年6月時点で、約150社が導入。
※参考リンク:フォーブスジャパン「『幸せでないと利益が出ない時代』 のウェルビーイングの高め方」
https://forbesjapan.com/articles/detail/64989
コミュニケーションを活性化する空間づくり!
気軽にコミュニケーションがとれるミーティングスペース、立ち話の空間を整備するのも効果的です。
まず大切なことは、次の2点…
- 防災対策を考えたレイアウト
- 企業文化やイメージとの合致
社員の安全と企業の顔としての役割が優先されます。
次に、機能面とともに、オフィスのコミュニケーション環境に目を向けます。
たとえば…
- 気軽に話せる場所
- 個人的な報告や相談をする場所
- 気持ちが落ち着つく場所
- 他の部署の人と交流したり、顔を合わせたりする場所
上記の点について、社員にヒアリングし、オフィスの現状分析を行います。
とくに共有スペースのあり方については、社員の意見やアイデアを重視しましょう。
オフィス空間の創出にかかわる方のために、3点 情報を提供しておきます。
失敗しない業者選びのコツは、信頼できる複数の業者を比較することです。
しかし、ネット検索ではどの業者が信頼でき、優れた実績をもつのか わからない。
選定に費やす時間も限られます…
しつこく採用を迫ったり、逆に返答が遅れたりする業者もある。
おススメは、マッチングサービスの利用です。
現在は、オフィスデザイン業者に通じたプロが、無料で条件に合う業者を選定してくれるサービスがあります。
そういったマッチングサービスを利用することで、条件に見合うオフィスがスピーディーに実現できます。
相場に詳しく、見積もりのとり方についても無料で相談できるので、時間や労力を省ける。
マッチングをサポートしてくれるサービスを紹介しておきます。
レンタルオフィスやシェアオフィス、コワーキングスペースなど、フレキシブルオフィスを利用すれば、低コストでオフィスを開設できます。
開業や起業、本社や支社・支店、サテライトオフィス、出張時のワークスペースや会議室利用など、幅広いニーズに対応。
- 敷金・礼金が不要で初期費用が抑えられる。
- オフィス家具や内装が完備されているので移転が容易。
- 退去時の原状回復費も清掃代以外はかからない。
…など、コスパと手軽さで利用者が急増。
留意点はセキュリティ対策とオプション代の発生…の2点です。
フレキシブルオフィス・プロバイダーとしては、世界最大のネットワークをもつ「Regus (リージャス)」がとくに有名です。
心配なセキュリティ対策、オプション代の透明性も確かです。
近年、健康に配慮した建物・室内環境及び業務運用の評価基準であるWELL認証の取得が、徐々に広まっています。
WELL認証とは、米国のDelos社が2014年に開発した建築物の空間評価システムのこと。
人間工学の側面だけでなく、「心身の健康」という視点がとり入れられているのが特徴です。
世界で初のWELL認証を受けたCBRE Global Headquartersの社内調査によると、93%が同僚と気軽に協働できるようになったと回答。
さらに、92%が健康によい効果、94%がビジネスによい効果があったと社員が答えています。
カテゴリーは、「空気」「水」「栄養」「光」「健康」「快適性」「こころ」の7つ。
グローバルな指標で達成度を評価できるため、企業価値を引き上げることが⾒込まれます。
リターンが大きいので、経営陣が腹をくくれば「挑戦する価値あり」です。
日本では2016年以降、年々増加しこれまで136件が登録。そのうち34件が認証を得ています。(2023年9月現在)
以下が関連サイト…
健康ビルディング認証団体米IWBI(International WELL Building Institute)
https://www.wellcertified.com/
日本の協議窓口:一般社団法人グリーンビルディングジャパン(GBJ)
https://www.gbj.or.jp/
愛され上手な LOVOTで ウェルビーイングな空間をつくる!
LOVOTホームページより https://lovot.life/
バックグラウンドはすべて論理だ、ロボットのかわいいしぐさに だまされないぞ…
命の宿らない、大量生産されるロボットに愛着をもてるはずがない…
すぐ飽きるさ…
こういった辛口批判を覆したのが、林 要氏が開発した「LOVOT」です。
※ 林 要:GROOVE X 創業者・CEO、LOVOTの開発者
これまでの癒し系ロボットは、センサーから得た情報に対して「決められたコンテンツを再生する」といった作り方をされていました。
しかし、LOVOTは1体ずつ異なる個性をもつ。
相手や環境に応じて反応も変化。
林氏は、LOVOTを「愛され上手な新しい生命体」とカテゴライズします。
このような「生命体」を職場に持ちこんだら、どんな変化が社員に起こるでしょう?
株式会社JALインフォテックの担当者は…
Q:LOVOTの魅力や価値を教えてください。
たくさんの人を笑顔にして、ウェルビーイングな空間を作りだしてくれるところでしょうか。
LOVOTと触れ合っている人ってみんな優しい表情をしているんですよね。
そうやって人の優しさを引き出してくれているところが価値だと思っています。
今日もLOVOTは…
ビジネスパーソンの強ばった表情を、優しい笑顔に塗りかえていることでしょう。
「温かいテクノロジー」の導入も、一案です。
公式サイト:https://lovot.life/office-lovot/
今あるものの価値を見直すことも 大切なスキルです!
アラフィフ世代は、会社の成長と自分の未来を重ね合わせ、「昼夜を分けず猛烈に働くことに価値あり!」という時代を経てきました。
働けばその分給料が上がり、会社の成長こそが自分の幸せの条件だと思っていた。
しかし、バブル崩壊後から潮目が変わり、「猛烈社員」は死語になりました。
さらに時を経て…
2020年のダボス会議では、ステークホルダー資本主義がテーマになり、「従業員や、取引先、顧客、地域社会といったあらゆるステークホルダーの利益に配慮すべき」という考え方が示され、世界に広まる…
2021年は「グレート・リセット」がテーマとなり、「人間らしさの見直し、心身の健康(ウエルビーイング)」の優先順位が高まる…
結果、企業価値に対する見方・考え方に大きな変化をもたらします。
このように…
企業価値は時代の変化とともに変わり続けます。
そして、マネジャーは常に時代の「変化」に翻弄され続ける。
しかし、ちょっと立ち止まって「今あるもの」を線で結ぶことを考えてください。
新たなマネジメント業務を自身に課すことだけが、解決策ではありません。
ウェルビーイングもしかり…
黒船来航ではありません。
日本には「三方良し」の精神がある。
今あるものの価値を見直すことも、大切なスキルです。
“Connect the dots ” by Steve Jobs
以上が本記事の主題でした。
マネジャーの皆さまにおかれましては、
自身のウェルビーイングにも、ぜひご留意を…
※ 三方良し:近江商人の経営哲学のひとつ。よい商売とは「売り手と買い手が満足するとともに、社会に貢献すること」という考え方
メンバーのポテンシャルを引き出し、発揮できるように環境を整えていく…
これが、AI導入時のマネジメントの最優先課題です。
ウェルビーイングを知りたい方におススメ…
タイトルそのまま『ウェルビーイング』!
忙しいあなたも、耳は意外とヒマしてます。
時間がない人におススメなのは audiobook!
ビジネスパーソンの主流は、耳読書。
読書効率がグンと上がります…
今後の生活資金に対する不安、健康不安、急な出費への備え…
そんな不安を安心に変える方法を記事にしました。
副業を考えている方は、どうぞご参照ください…
キャリアアップを目指しながら副収入もほしい…という方向けの記事です。