- 頬や鼻など顔にさわる
- 額で手をこする
- 首に手をあてる
- 髪をさわる…
これらは、不安や不快な感情をなだめようとする反応で、「なだめ行動」といわれます。
端的にいえば、不安・不快のサイン。
会話中、聞き手にこのサインがあらわれたら…
相手は「あなたの話はつまらない」と感じているかもしれません。
あなたとの会話にストレスを感じている可能性もある。
心あたりのある方は、本記事で紹介する…
魅力度を高めるコミュニケーション
3つの心得を
会話に活かしてください!
3つの心得を次の順で説明し、対策を解説します。
- 心得 ➊ 人は、疲れない会話をしたい
- 心得 ➋ 人は、自分の関心事を話したい
- 心得 ➌ 人は、正解よりもあなたの見方を聞きたい
本記事では、あなたの魅力度を高める知識とスキルを提供。
ビジネスシーンでもプライベートでも使えます。
簡単に内容を知りたい方は Instagramへどうぞ…
https://www.instagram.com/mitsuya_biz
心得 ❶
人は、疲れない会話をしたい
前述の「なだめ行動」を引き起こす最大の原因は、あなたが「頭を使わせる」会話をしていることです。
学生時代の「ねむくなる授業」を思い出してください。
初めて聞く単語が宙を飛び、
一方的に講釈を聞かされるシーン…
最初は考えようとするが…
未知の言葉や不透明な展開に疲れ
脳が機能停止
視線は、時計の針へと移る
話のつまらない人は、これと同じ経験を相手に強いてます。
- 結論が見えない
- 理解不能な単語を並べる
- 自分の話ばかりする
このような話し方が、相手を疲れさせています。
改善策を、次よりビジネスシーンと同僚・プライベートに分けて解説します。
ビジネスシーンにおける会話の運び方
まずは、会話に対する認識です。
相手は、あなたが思っているほど、あなたの話を聞きたいと思っていない
…という現実を知ること。
とくに営業職は、この厳しい現実を胸に、交渉に臨むことが大切です。
「要するに何が言いたいの?」の「?」が相手に灯った瞬間、「アウト」を宣告されます。
そもそも、相手はあなたの話を聞きたいと思っていない。
そこにきて「考える労力」を相手に強いれば、交渉の幕は下ろされます。
宣告に要する時間は短い。
営業の最初の1分、といわれるほど勝負は早くつきます。
たとえば、アポ取り。
挨拶と自己紹介のあとに目的を簡潔に伝えます。
相手が知りたいのは、この場合「何のために会いたいの?」という目的です。
次に「あなたに会うメリットは?」という「果実」にあたる話。
そのためには、事前に相手の情報やニーズを把握しておくことが重要。
こちらが話す目的と相手のニーズの接点を明確にしてからアポ取りに臨みます。
また、「自分の要求を受け入れてほしい」ではなく、「相手のために何ができるか」に焦点をあてることも大切。
たとえば…
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細かいことですが、「よい例」のように…
- 「30%向上」など、具体的な数字を入れると、相手の関心を引くことができます。
- 「御社の取引先を含め…」など、「うちの取引先とはどこなの?」と相手が聞きたくなるようなアンカーを打っておくこともテクニックのひとつ。
「あなたが思っているほど、あなたの話を聞きたいと思っていない」と認識すれば、事前準備や話の運び方に注意が向き、戦略的に交渉を進めることができます。
ここが「できる人」と「できない人」の分かれ道…
相手を疲れさせない会話ができる人は、仕事の成績も必ず向上します。
そのほか「相手にとって未知な言葉」は使わない、という点にも注意が必要。
これも相手に「?」を灯し、疲労感を与えます。
相手の語彙レベルに合わせることがポイント。
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お客様の業務効率を向上させるだけでなく、コストや時間も節約できます。
相手の語彙レベルに合わせるなど、ペースの合わせ方については、以下の記事の「共感型の話し方ペース&リード」でも解説しています。
ご参照ください…
同僚やプライベートにおける会話の運び方
同僚やプライベートにおける会話に、事前準備は必要ありません。
目的は、相手に気持ちよく話してもらうこと。
そうすれば、相手も自分も疲れません。
話の運び方については、
リードする人より、話を引き出してくれる人のほうが一緒にいて楽しい
…という認識で臨みます。
多くの方が話のネタを気にしますが、「ネタは相手がもっている」という考え方で大丈夫。
ネタに頼ると、自分の話が中心になります。
さんまさんの「話の運び方」が、よい例。
トーク番組でのさんまさんは、延々としゃべり続けている印象があります。
実際のところは出演者のほうが、2倍以上話しているそうです。
放送作家の野呂エイシロウ氏によると…
しゃべり続けているように見えて、録画してカウントすると、さんま1:相手2.5ぐらいの発言比率
…とのこと。
\ 詳細は… /
トークの場面を見ると、確かに…
相手の話のなかに話題を見つけて広げる
広げたら他の出演者にフル
…という展開が多い。
たとえば、「踊る!さんま御殿!!」…
- 「へえー」と関心を示し…
- 「それでそれで?」と先を促し…
- 「わかるわかる」と共感したり
「そんな事あるか!」と挑発したりして… - 「○○はどうやねん」と他のゲストにフル
合間に大きなリアクションを入れて
周囲の感情を刺激…
このように、縦横無尽に場を盛り上げることができたら、誰でも好感度が上がるでしょう。
しかし、どんな話題も笑いに変える機転、テンポのよい返し、大きなリアクションなどは、素人にはマネできません。
私たちが参考になるのは「相手の話のなかに話題を見つけて広げ、返す」という話の運び方です。
これは、経験をとおして習得可能。
参考 ➊~➎で示した「相づち」を意識することもポイントです。
自分にあった、自分にできる「話の広げ方」や「相づち」を、雑談をとおして見つけ、経験を重ねて身につける。
様々なシーンでこれを活用し、相手に気持ちよく話してもらう。
「経験を重ねて…」がポイントです。
バージョンアップのためには試行錯誤のプロセスが必要。
生まれついての話術の達人は、プロにもいません。
会話に臨むときに
「リードする人より、話を引き出してくれる人のほうが一緒にいて楽しい」と唱え
「相手の話のなかに話題を見つけて広げ、返す」で話を運び
「相づち」を意識する。
うまくいかなかったら、他の方法を試す。
このようなプロセスを経て、相手を疲れさせない会話が、あなたのスキルとして身につきます。
上記でふれた雑談については、以下の記事「雑談のスキル」でも解説しています。
ご参照ください…
心得 ❷
人は、自分の関心事を話したい
話し上手な人は、相手の関心事を見つけたり、合わせたりして会話を運びます。
誰しも、知りたい、理解したい、共感したいことを話題にしたい。関心事が一致すれば意気投合し、会話は熱を帯びます。
楽しいひと時が約束される。
相手との距離も縮まります。
そして、また会いたい、また話したい、という気持ちが芽生える。
相手の関心事は相手の話のなかにある
相手が親しい間柄にない場合、関心事を知ることはなかなか難しいものです。
話題をちりばめ、ヒットするのをまつという方法もありますが…
手軽で、シンプルな方法は、
相手の関心事を「相手の話」のなかに見つける
…という方法です。
心得 ➊ で紹介した さんまさんは…
笑いのネタは、ゲストのトークのなかにある、という考え方で番組を進行します。
自分のお笑いネタは懐にしまい、必要なときにしか出さない。ネタ切れを起こし、「また同じネタ?」など、視聴者に飽きられるからです。
プロは、ネタの賞味期限をよく知っています。
毎週入れ替わるゲストとのトークからネタを引っぱり出すほうが新鮮。
視聴者から飽きられません。
ゲストの口から出た話題なので、そこに相手の関心事があり、広げればトークの花が咲く。
「へえー」「ほー」の相づちは、
今あなたの出した話題に関心があります。このあと「広げまっせー」
…という合図。
相づちをとおして相手の関心事に共感し、「自分も関心があるよ」というメッセージを送っているのです。
ポイントは、自身の興味をもとに、あとあと広げられる話題をひろうこと。
たとえば、以下のような興味…
- 結果が知りたい → どうなった?
- 理由が知りたい → どうして?
- 理解したい → 詳しく教えて?
- 共感したい→ あるある!自分も…
「→」のあとのように展開できる話題をひろえば、スムーズに会話が進みます。
余白を埋めるように会話を進める
もれなく、わかりやすく話したい…
実は、この考え方が、あなたの話を「つまらなく」させています。
相手の関心を呼び起こさない話し方になっているからです。
たとえば…
新しくできたお店、雰囲気がよくて最高だった~
新しくできたお店、おススメよ…
友達Aには「そうなんだ…」という反応しか期待できません。
自慢?と受けとめられる恐れもある。
これに対して…
友達Bには「その理由は?」という、さらに聞きたくなる「ひっかかり」を残します。
理由をいわないので、そこが「余白」になり、そこを埋めたくなる。
これが会話を進める誘因となって「話が弾む」をつくります。
話し上手な人は、「余白をつくり、埋める」という話の運び方をします。
テレビ中継のレポーターも…
大谷、ホームラン性の当たり…
外野は見送るだけです
入りました~
大谷、打った…
大きい大きい 入るか?
外野が見上る…
入った~
臨場感が伝わるのは「レポB」のほうです。
最初に伝える情報は「打った」ことだけ。
情報を徐々につけ加えることによって、臨場感を出しています。
つまり…
余白を徐々に埋める話し方は、聞き手の関心を引きつける効果がある。
ビジネスシーンでは、結果・結論から話すことで、余白を生みます。
たとえば…
先方の係長が、課長に以前お世話になったとのことで…
課長のおかげで契約に至りました。
契約に至りました。
先方の係長が、課長に以前お世話になったとのことで…
今回の成約は課長のおかげです。
Aは理由→結果、Bは結果→理由という違いです。
順序を変えただけですが…
Bのほうがイキイキとした印象が生まれ、「課長のおかげ」がより強調されます。
先に結果を述べることによって…
- 結末を知りたい相手のストレスを軽減する
- 結果に至った理由を知りたいという関心を呼び起こす
という2つの効果が期待できます。
余白をつくるとは、意図的に「情報の不備」をつくることです。
情報に不備があると、人は「どうして?」「どうすればいい?」「どうなる?」などの疑問を解決したくなります。
これが相手の関心事となり、会話の目的になる。
その目的を果たし、相手が「あなたとの会話は有益だ」となれば、「話したくなる人」へと格上げされます。
逆に、多くの情報を一気に、もれなく伝えることを重視する人は、結果的に「つまらない」と思われます。
まじめな人ほど会話で自爆するのは、これが理由。
心得 ➌
人は、正解よりもあなたの見方を聞きたい
多様性の時代、「正解は個人が導き出すもの」という考え方が、人々の間に浸透するようになりました。
個人が自らの経験や価値観に基づいて、正解を導き出すことが求められるようになった。
「人」に対する関心の向け方にも変化が見られます。
人々の関心は、その人が語る「正解」にではなく、その人の「ものの見方や考え方」に向くようになりました。
人に正解を求めない。
極端にいうと、正解はどうでもよい。
その人の「ものの見方や考え方」に共感できるかどうかが大事、という風潮が見られます。
この風潮、世界各地の選挙結果によくあらわれています。
近年注目を集めるインフルエンサーも同じ。
注目が集まる理由は、ユニークなものの見方・考え方をもっていることです。
ここに人々は熱狂する。
「魅力度を高めるコミュニケーション」のヒントも、ここにあります。
得意分野を活かせば、あなた独自の見方・考え方で話せる
マネジメント全般、マーケティング、AI、DXなど得意分野をもつと、独自の視点で物事を分析・考察できます。
自分なりの光の当て方ができる。
これを会話に活かすと、話に独自の見方・考え方を加えることができます。
当然、説得力も高まる。
たとえば、上司から…
九州の出張はどうだった?
販売代理店のサービスエンジニア向けに故障診断アプリを導入している点が画期的でした。
うちも、代理店によってサポートの質に偏りがあります…
この場合、DXを切り口に報告を上げています。
自分の得意分野から状況を観察することによって、ほかの人の気づかないメリット・デメリットを見出すことができます。
これが独自の見方・考え方になる。
得意分野は必然的に他の分野とのかかわりをもちます。DXであれば、ビジネスモデルと深い関係がある。
となれば…
現在に至るビジネスモデルについて、深く知る必要がでてきます。
他の分野の知識を吸収できれば、新たな見方・考え方が加わる。
そうやって、独自の見方・考え方に「広がり」や「深み」が出れば、ビジネスシーンでも「話したくなる人」へと格上げされます。
上司から「九州の出張はどうだった?」と聞かれ、「おいしいものいっぱい食べてきました」と答える同僚とは、評価に雲泥の差がつく。
自分の土俵で勝負する、土俵を広げる…
ビジネスでの必勝パターンです。
チャンキングの習慣で独自の見方を吸収しアウトプットする
説得力のある「自論」を自在に展開できれば、インフルエンサーの道が開けます。
独自の視点が加わると注目を集め…
肩書や実績があれば、いちやく時代の寵児となる。
誰もがこうはいきません。
しかし、「語り」の特徴を知り、ビジネスやプライベートのコミュニケーションに活かせることは多い。
インフルエンサーの語りには、共通する2つの特徴があります。
まず、視聴者にわかりやすい例示を入れることです。それも間を置かずに語れる。
何か主張したら、「たとえば…」と具体例を挙げる。これをチャンクダウンといいます。
もう一つは、「納得のフレーズ」があること。
概要をまとめ、人々をうなずかせるフレーズ。
例示のあとの「結局…ということなんですよね」の部分。これをチャンクアップといいます。
チャンクアップ&ダウンを語りにバランスよく配置することによって「なるほどね」となる。
もっと聞きたいと思い、明日も見る。
私たちに実行可能なことは…
チャンクアップ&ダウンを「質問」に変えて、他の見方・考え方を吸収し、これをアウトプットすることです。
たとえば、チャンクアップ…
- つまり、こういうことですか?
- つまり、こうなることが目的ですか?
…などの質問をし、認識の正誤や適否を確かめる習慣をもつ。
チャンクダウンでは…
- 具体的にはこういうことですか?
- たとえば、こうなることですか?
…などの質問によって、理解を深める。
このようなチャンクアップ&ダウンの質問習慣をもとに、
多様な相手とのキャッチボールを重ね…
- 他の人の見方・考え方を集めていく
- 自分なりに話のモデルを組み立ててストックし、引き出しの精度を高めていく
…ことがポイントです。
つまり、自分独自の見方・考え方を自分のなかから生み出すのではなく、外から吸収し、比較・関連づけて自分なりの視点を着実に形成していく。
こうすれば、独自の視点を加えてアウトプットできるようになります。
注意点は…
アウトプットする際は、聞き手のニーズに応えるカタチで提供すること…
ひろゆきさんも、視聴者の質問に応じるかたちでアウトプットします。
求めもないのに、やたらとアウトプットすると…
蛙化します。
年配であれば、老害と化す。
チャンキングは、会話術やパーソナルブランディングにも活用できます。
応用として、以下の記事でも取りあげています。
必要に応じて、ご参照ください。
今後の生活資金に対する不安、健康不安、急な出費への備え…
そんな不安を安心に変える方法を記事にしました。
副業を考えている方は、どうぞご参照ください…
キャリアアップを目指しながら副収入もほしい…という方向けの記事です。