コーチングの実際「どのようなやり取りが行われているのか」を知りたい、という声が研修会でも多く聞かれます。
そこで、実践のイメージをもてるように…
実践例を…
導入段階・展開段階・終末段階に分けて記事にしています。
今回は「展開段階の実践例」
引き続き以下の設定で、対話の例を書きます。
- A課長のもとに、新任のB係長が配属された。
- B係長は将来を期待されている人材である。
- これまでは営業の第一線で活躍してきた。
- いわゆるプレイヤーとしての経験は十分にある。
- 一方で、マネージャー(管理職)としての経験はない。
さらに、導入段階で以下のような経過をたどっています。
❶ 「同意」のもとコーチングスタート
❷ B係長の仕事観及びその構造を把握
❸ B係長のテーマ選択
自分が部下に営業を任せきれない状況があり、打ち合わせ・相談等の時間が確保できない。この「状況」を改善したい。
❹ B係長のテーマの具体化
- 案件を担当する部下に、提案フェーズからプロジェクトに参画してもらう(巻き込む)。
- 以下の3点を実施し、部下に任せられる状況を生み出す。
- 大切な顧客への対応に関する部下への教育・指導
- 判断基準や考え方、ナレッジなど、マネージャーとしての自分の思考ロジックを再現性がある方法で組織内で共有
- 組織のコンディションや現在地を測定・分析・共有
➎ 2か月で成果を出すことを確認
詳細は、以下の記事になります。
コーチングセッション1 ー2か月経過の段階ー
(B係長が一定の成果を出すと決めた)2か月後の場面です。
2か月経って、どんな成果が現れてきたかい?
課長に示した2点について、成果を説明いたします。
多くの成果が現れて、私もうれしいよ。
実は君の部下から、「係長から学ぶ機会が生まれて、がぜんやる気が出た」という声を聞いた。ぜひ、この成果をさらに広げてほしい。
しかし、成果が出ない点もあります。
組織内の共有と現状確認だね。具体的には、何が起こっているのかい?
やはり、時間をどう生み出すか、ということが大きいのですが、
具体的には…
何か工夫ができそうだね?
次回アイデアを検討しよう。
コーチングセッション2 ー課題解決の具体化ー
前回の課題についてアイデアを出し合い、具体化を図る場面です。
何か実現可能なアイデアが浮かんだかね?
アイデアとしては…
いいアイデアだと思う。
しかし、この二つだけでもかなりの準備時間がかかるだろうし、たぶん君自身が多忙を極めるだろう。
発想の時点で根本的な改善が必要だと私は思う…
自分自身を稼働要員(リソース)として扱っている、ということだよ。以前、君自身が先頭に立って営業に走りまわっていたのは、この発想だよね。
確かにそのとおりです。課長のアイデアも聞かせてくれませんか…
今、君が指導している部下をミドルリーダーとして育成し、責任をもたせてはどうだろう。意思決定の移譲も含めて、彼らの発想も織り交ぜて仕事に取り組ませると、組織も多様化し、成果と成長を増幅させることもできる。
リーダーがリーダーを生む、というサイクルをつくってはどうだろう…
そのアイデアいただきます。この1年間で成果を出せるように努力します。
このような、対話があって、以下のように行動計画を立てました。
ミドルリーダーの育成については、私も積極的にかかわることにするよ。
「✓」の確実な実施を成果指標としよう。
自律性への働きかけと仕事機会が、社員の能力を開花させる
社員は、挑戦的な仕事機会を与えられる中でその能力を開花させます。
しかし、それは社員の自律性があってこそ可能。
コーチングを企業に導入する目的は、ここにあります。
また、成長し続ける人材は、「変革参加」「部門間連携」「部下育成」といった経験から多くのことがらを学びます。コーチングの中で上司が提案する内容は、この3点を踏まえておくといいと思います。
管理職の皆様におかれましては、コーチングを進めやすい環境にない場合も多く、ご苦労をされていると思います。
一部でも参考になる点がありましたら幸いでございます。
読者の皆様におかれましては、くれぐれも健康に留意され、無理をなさらず人材育成にあたってください。
おすすめの関連書籍を紹介します。コーチングの原点です…
忙しいあなたも、耳は意外とヒマしてます。
時間がない人におススメなのは audiobook!
ビジネスパーソンの主流は、耳読書。
読書効率がグンと上がります…
今後の生活資金に対する不安、健康不安、急な出費への備え…
そんな不安を安心に変える方法を記事にしました。
副業を考えている方は、どうぞご参照ください…
キャリアアップを目指しながら副収入もほしい…という方向けの記事です。