という印象を周囲にもたれているA社員は話し方の影響力をご存知ない…
私たちは説明の場に立つとき…
何を話すかは意識して考えるが、どう話すかについては準備がおろそかになりがち…
それは、だれもが自分の話し方はごく自然だと考えているからです。
しかし、筆者は、社員の評価が、その人の「話し方」に左右されるケースを多く見てきました。
話し方は、いわば「自分の見せ方」
話し方によっては、「自信に欠ける印象」「強引な印象」をもたれるなど、マイナスイメージを相手に与えます。
そこで本記事では…
「話し方」の影響力を整理して解説。
2回に分けて記事にしています。
※ 前回は、「高い評価を得る(話し方の)習慣」をテーマに取り上げました。
今回は「評価を下げる話し方の習慣」がテーマ。こんな方に参考になります…
- 話し方を勉強するように言われた
- 話し方の影響力を知り、職場で活かしたい
- 自分の話し方のチェックポイントを知りたい
- 話し方の習慣を改善したい
簡単に内容を知りたい方は Instagramへどうぞ…
https://www.instagram.com/mitsuya_biz
話し方の影響力
話し方は、その時の状況・企業文化・会話当事者の相対的な地位・相手の言語スタイルなどによって、最適な方法が異なります。
しかし、私たちはだれもが自分の話し方はごく自然だと考えています。
この差異が、あなたの印象に大きな影響を及ぼしていることをまず知るべき…
大切なことは…
話し方の影響力を理解して、その習慣を改善すること。
評価を下げる話し方の習慣とは…(2選)
ビジネスは「人間関係重視」の世界ですから、婉曲表現が多用されます。
ここでの婉曲表現とは、謙譲表現・断定を避ける表現・間接的な言い回しなどを指します。
婉曲表現によるメリット・デメリットは以下のとおりです。
- 関係を築くきっかけになる
- 傲慢な印象を与えず、丁寧な印象を与える
- 相手のメンツを損なわない
- 謙虚な印象を与える
- 不評を買う恐れが少ない
- 過度な謙譲表現により、自信に欠ける印象を与える
- 微妙なニュアンスが伝わりにくい
- 話し手の貢献度が低く見積もられる
本記事では、デメリットの中の
- 過度な謙譲表現により、自信に欠ける印象を与える
- 微妙なニュアンスが伝わりにくい
の2点を取りあげます。
❶ 評価を下げる話し方:謙譲表現を多用する習慣がある
近年、自信がありそうかどうかで提案の採否を決めるという判断基準が、企業のトップに広まりつつあります。
そこで、デメリットの中でも、まず「過度な謙譲表現により、自信に欠ける印象を与える」例を取りあげます。
以下の記事でふれましたが…
「させていただく」の乱用が、このケースにあたります。
まず、以下のA社員・B社員の話し方で、どのように印象が変わるか想像しましょう。
本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。
それでは、新規プロジェクトについてご提案させていただきます。
本日は提案機会をいただき、ありがとうございます。
それでは、新規プロジェクトについて提案いたします。
A社員は丁寧な印象ですが、自信に欠ける印象も与えます。
このことにより、提案内容まで「自信がない」という印象を受け手に与えかねません。
また、過度にへりくだる表現は、回りくどいという印象を相手に与えます。
このように、過度に謙譲表現を使用する習慣がある人には、
「自信に欠ける」「言葉に装飾が多く、回りくどい」というレッテルを貼られる恐れがある…
このことが、あなたの固定的な評価につながらないように、話し方の習慣を見なおすことをおすすめします。
へりくだり、自分の能力を過小評価する表現を、英語では、“Out of Power language”と言います。
将来、周囲に影響を与え、人を動かすリーダーを目指すのであれば、ポジティブではっきりした表現で意見を述べる習慣を身につけるべきです。
率直に自信をもって、はっきりものを言う人は、リーダーに選ばれます。
❷ 評価を下げる話し方:間接的な言い回しをする習慣がある
ビジネスシーンで上司と部下との間でよく起こることですが、間接的な言い回しをすることにより「微妙なニュアンスが伝わりにくい」という例をあげます。
一般的には、部下が上司に対して言いにくい内容を伝えるときによくあるケースです。「察してください」という心のつぶやきが聞こえてきそうなときです。
また、異動や昇進などで、新たな部署に配置された上司にも見られます。
社員との人間関係を重視するあまり、間接的な言い回しで指示するケースです。
このケースは、会社に深刻な事態を招く恐れがあります。
理由は…
明確さに欠ける指示になるため、部下の受け取り方次第でミスが起こるからです。
例えば…A係長は、B社員に対して、以下のように部下に指示を出しました。
経理担当に請求業務のサポートが必要のようだ。
ちょっと検討してくれないか。
B社員に請求業務のサポートを担当させる
検討するが、はっきりとした指示は受けていない。
明確な指示があるまでは、サポートはしなくてよいだろう…
このようなすれ違いが大事な局面で起こった場合、会社に大きな損失与えます。
社内でのコミュニケーションは、明確に、分かりやすく、簡潔に、過不足なく、の4点を踏まえた話し方を心がけることが大切
このことは、企業文化の問題でもあります。
話し方の重要性を深く認識している企業は、必要とする話し方の習慣を、文化として根づかせる努力をします。
参考のために…同意表現にまつわるすれ違いについても書いておきます。
相手との地位や立場の違いから、同意表現が多用される場面で起こります。
具体的な場面としては、上司と部下の会話、顧客と営業間の会話などです。
「そうですね」「なるほど」という同意表現から、相手が「すべて同意した」「納得した」と受け取り、後々齟齬が生じた、という例
この場合、「そうですね」「なるほど」が、あいづち程度の意味という人と、同意した・納得したという意味でとらえる人の相違です。
つまり、言語習慣の相違がトラブルに発展する、ということです。
このようなトラブルを回避するためには、「的確に聞き取る」習慣をもつことが大切。
具体的には…
相手の話に含まれている多くの情報や事柄の中から、必要なことを間違いなく、過不足なく聞き取る習慣
「聞き取る」要点は…
- 相手の考えの要点を自分なりに整理すること
- 相手の示す根拠の適否などを確かめるために質問すること
- 相手の意見と自分の意見との共通点や相違点についてまとめること
- 自分の受け取り方について最後に確認をとること
これらを習慣化することが大切。
くどくなりますが、さらに「こそあど言葉の多用」も、とらえ方の相違につながります。営業にたずさわる新入社員に教えてあげてください。
経験値の確かさについて、立ち止まって見直すことも必要
話し方は、経験を積めば積むだけ磨かれていきます。
しかし、その経験値の確かさについて、立ち止まって見直すことも必要。
立場が上がるにつれて、誰も直言してくれなくなります。
くり返し述べてきましたが、私たちはだれもが自分の話し方はごく自然だと考えています。
自分の話が相手にどのように伝わっているか、どのように受けとられているか、ということを知るだけでも、習慣の改善に役立ちます。
新入社員に、話し方の習慣改善の重要性を早いうちから教えていきましょう。
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